保育園は公立と私立のどちらを選びますか?
実は保活をするときに「近いから」「評判が良いから」という理由で決める方もいますが、保育園には公立保育園と私立保育園の2種類が認可保育園があり「保育園の運営母体の違い」があります。
保育園を運営をして良いのは市区町村である公立以外にも社会福祉法人や株式会社が運営をする私立に分かれており内容や保育の質も全くちがうため安易に決めるのはやめましょう。
子供がずっと過ごす環境なのでママもパパも納得した上で預けたいものです。
この記事では保育園の公立と私立の違いや特徴、先生の質などを書いていますのでどっちが良いか迷っている方は読めば検討材料になります。
目次
公立保育園と私立保育園はどっちが良い?違いを解説
私もよく「どっちが良いと思いますか?」と聞かれますが、結論は「保護者の考え」によります。
私は保育士の経験上私立の方が合っていると思って入園をさせましたが、中には公立志望の方もたくさんいますのでこの記事でそれぞれの特徴を参考にして一つの目安にして下さい。
保育園の公立と私立の違いは運営母体は異なります。
公立保育園は各地域の自治体です。
そのため、働いている先生も正社員は公務員の採用試験を受けて通過をした公務員でそれ以外の先生は保育士パートの先生たちになっており半数が社員、半数がパートという流れです。
それに対して私立の場合はいろいろな運営母体があり、社会福祉法人の他にも宗教法人(お寺、教会など)、株式会社など母体は様々です。
公立保育園も私立保育園も運営母体に関しては継続的に運営ができるかを判断されていますのでつぶれるということはありませんが質な内容が全くことなりますので下に公立と私立のメリットデメリットを紹介していきます。
保育園の公立と私立の施設数と園児数
保育園にも公立と私立があるのですが、数や園児数を年度ごとに比較をしてみましょう。
【平成18年度】 公立:11,848ヵ所(園児数:967,451人) 私立:10,851ヵ所(園児数:1,036,159人) 【平成22年度】 公立:10,766ヵ所(園児数:890,484人) 私立:12,302ヵ所(園児数:1,189,630人) |
比率は公立が48%で私立が52%(平成24年調べ)となっており、最近は調査をされていませんが私立の開園が多くなっていますのでさらに民間の私立の保育園の方が多い傾向にあります。
園児数も施設数と比例をしており、私立の保育園の方が多いため園児数も多くなっていますね。
公立は減少!私立は増加する理由
実は公立保育園が年々減っています。
その理由は経営不振により公立保育園が民営化の一途をたどっており、公立保育園は私立の保育園へ変貌をしているのです。
その一番の原因は人件費の高騰です。
私立の場合はその保育園の保育士さんの給与相場は300万円程度となって世の中の評判通り「安価」な給料で先生たちを雇用しています。
それに対して公立保育園の保育士の給料相場は約500万円で、一般企業に勤める人よりも高水準のお給料です。
しかも公務員の場合は福利厚生もしっかりとしており育休、産休制度もしっかりとありますし長く勤務をしていればお給料はどんどん上がっていきます。
つまり、離職率が低くなるため公立保育園の保育士のお給料はどんどんと高くなっていくため経営自体が慢性的な赤字状態なのです。
その結果保育園の経営が立ち行かなくなるため民間移管をしている経緯があり、私立の保育園の数は増加、、公立保育園は減少傾向にあるのです。
(参考:厚生労働省「保育分野の現状と取組について」)
公立保育園の特徴とメリット【ベテラン保育士が多い安心感】
公立保育園は私立の保育園のようにいろいろな特色があるわけではなく、どちらかといえば各自治体の考えが公立保育園へ反映をされることになりますので、どこの公立保育園を選んでも基本的な考えは同じです。
私立の保育園とちがって無駄な出費がかからないという点は大きなメリットですね。
(課外授業などもないため、雑費を請求されることはほとんどない)
しかし、園の考えが古い印象があり公立の先生たちの考えやアイデアもあまり認められることはないため、昔ながらの保育園という印象です。
特化としたこと、特色を持たせることは公立では「禁止?」に近く、公立の小学校と同じ「みんな平等」「全員で一緒に」という考えが濃いです。
メリットは園庭が広く園舎も大きい
しかし、普通の保育で外でたくさん遊ぶことを徹底してほしいという方は公立保育園が良いです。
公立保育園は古い保育園が多いのですが、その分広い園庭や園舎を持っています。
そのため、子どもをのびのびと成長させるためにはも最高の環境だといえますし
先生たちも公務員のため退職などでいなくなることはほとんどないです。
人事異動などはありますが、いろいろな公立の保育園で経験をしている方が多いのでベテランで安心感が私立の保育園と比べると大きなメリットといえますね。
公立保育園の先生の質は?どうなの?
公立保育園の先生の質を一言でいうと微妙…です。
私は実際にアルバイトや契約社員として公立の保育園で働いたこともあります。
そこで見ていて「本当に子供のために」と思って働いている人は少ない印象。
例えば、夏に有給で1ヶ月休む担任がいたり…定時だからとお迎えの遅い人のケガの対応はしなかったり…
どちらかといえば時間をしっかりと守って…仕事に取り組むという印象ですので、割り切っている人は多いです。
公立保育園の先生は試験に合格すればOK!先生の質は二の次
公立保育園の先生は試験に合格をすればOkです。
そのため、この人が保育士に向いているのか?そもそも安全の保育ができるのか?は別の話し。
先生としての質よりは、試験に合格できる頭があれば誰でも公立の保育士になれます。
また、公立保育園の先生は正規は各クラスに1名ほどで、あとは臨時職員と言われるアルバイトなのです。
そのため、保育の質もあまりよくない…というのが印象ですね。
私立保育園の特徴とメリット【独自性のある保育の実施】
ここまでは公立保育園と私立の保育園の比較をしてきましたので 各保育園の特徴について書いていきましょう。
私立は認可を受ける際の基準をクリアしていればどんな保育でも自由しても良いことになっています。
そのため独自性を持っている保育園が多いのが特徴ですね。
運営母体は先ほども紹介をしましたが社会福祉法人・NPO法人・学校法人・企業など様々な母体が運営を行っているという経緯があります。
メリットは独自の保育を実践している私立保育園がある
また、運営は決まりの範囲であれば自由となっていますので保育園によっては宗教色が出ることもあります。
お寺などが運営をしてる保育園の場合だとお祈りがありその際に念仏を唱えたり、キリスト教の教会が母体となっている場合には「アーメン」というお祈りをしたりと保育園によって全く異なります。
そのため、子どもを成長させるための理念を独自の考えで運営をしています。
これはある意味メリットでもありデメリットでもあります。
また、公立保育園と大きな違いは課外活動を取り入れている保育園が多いということです。
例えば、英会話、体操、スイミング、サッカー、音楽などの専門講師を保育園へ呼んで保育園内で指導をしてもらい、夕方には保護者が会費を支払って習い事感覚で学ぶことができます。
他にもサービスが充実をしており通園バスや延長保育の時間が長い、夜間保育を取り入れているなど公立の保育園と比較をするといろいろなサービスが充実をしています。
→ 保活はいつから?失敗しないための裏ワザと計画をブログに紹介
公立保育園と私立保育園の先生の質と勤続年数の違い
公立と私立で先生の質は経験は全く違います。
私はどちらも仕事をしてきましたが、先生の年齢層は公立が高めで、私立は若い世代が多いです。
ベテランと言えば公立になりますが、やる気やフレッシュさとなると私立になりますね。
質は保育園の母体というよりは園の考えによって異なります。
公立の先生は先生によって違います。
ものすごく保育にアツい思いを持っている人もいれば、公務員らしく惰性で仕事をしている人もいます。
私立はやる気のある先生が多いですが、長く勤務をしている先生はすくないですのでそれぞれの先生の質について書いていきます。
公立保育園の先生はベテランが多い!独自性はなし
公立保育園の保育士は基本的に分業制となっており掃除をする人、夕方子どもを見る人など分かれていますので保育に集中ができます
しかし、方針や理念は園ごとではなく市区町村が決めており「みんな平等」という考えが基本的なスタンスとなっているため独自性を出せないため画一的な保育になります。
そのため、公立の先生からは「○○やりたいけれどもダメ」「何も工夫できない」「アイデアが活きない」なんて声が聞かれますのでやる気が起こらない現状や環境もあるのです。
ただし、保育園の先生たちは公務員という立場のため守られていますので将来にわたって安定をしています。
退職や解雇の危機感がないため惰性的に仕事をしている人もいますので、先生によってはやる気のない先生もいたりするので残念です。
ただし、公立の先生はベテランが多く保育や子育てに関しては積極的に研修を受けていますので保育に関する知識や経験は豊富な人が多いです。
私立保育園の先生は離職率が高い!若い先生が多い
私立の保育園の指導も厳しいところが増えており、サービス業という考えを取り入れている保育園も多く独自の研修制度を取り入れているため指導も行き届いている園が多いです。
また、園独自の保育を作っているところもありますのでその園によって保育の質が高い園もたくさんあります。
私立は新卒などの若い先生が多いです。
その理由は離職率も高いため、毎年先生の入れ替わりがあるところがほとんどですね。
公立の保育園の先生は公務員なのでずっと在籍をしています。
そのため勤務年数、経験年数は長くなるのでベテラン保育を提供していますが私立は入れ替わりが激しく毎年5名以上入れ替わる私立の保育園もたくさんありますので、先生の安定度は圧倒的に公立です。
→ 保育士の平均勤続年数は短い?離職率が高い理由は給与と人間関係
公立と私立の保育園は行事にも差が出る
運動会や発表会などの行事を見るとわかるのですが、公立は子どものあるがままの姿を見せるような感じになります。
それに対して私立の保育園の行事を見ると親に見せるという部分で非常にクオリティも高いものとなっています。
発表会の衣装などに関しても私立の保育園の方が力も入っています。
これは私の経験上ですが公立は「のびのびと子どもらしく」という古き良き日本という考えが今でも強いように思いますが、私立の場合は「現代の親のニーズに沿って行こうとする」という視点があります。
公立と私立で保育に対する温度差が生まれる理由は採用試験です。
公立は保育力は全く関係なく保育士資格を持っていて公務員試験に合格をすれば誰でもなれるのは公立保育園の先生ですが、私立保育園の採用試験はいろいろな試験をクリアして採用されますのでそこにも差があるのかなと思います。
公立と私立の保育料金はいくら?私立が高いは本当?
基本的には保育料というのは保護者の前年度収入によって大きくことなります。
そのため、夫婦が共働きで収入が多い人は保育料も高いですが、共働きでも収入が低い人の場合は保育料は安くなっていますね。
保育料の価格は0円~約10万円程度までとなっており、シングルマザーやシングルファザーなどのひとり親の場合は完全に0円となっています。
そのため、公立保育園へ通わせても、私立の保育園は通わせても基本的に保育料は同じとなっていますので料金に関しては気にしなくてもよいでしょう。
保育料以外が私立の場合はかかる
しかし、雑費に関しては公立はほぼなしですが、私立の場合は別途請求をされます。
例えば、遠足に行くために5,000円や味覚狩りに行くので800円、保育園で出欠を確認するためのシステムに毎月500円など雑費を取られれますし、3歳児(年少)からは制服がありますのでそれを購入するために3万円程度はかかることもあります。
保育料は同じですが、雑費に差があるといえますね。
他にも延長保育代金や、保護者会を持ってる保育園の場合は保護者会費なども支払うことになります。
公立の場合は保育料以外に支払うお金はほぼないと思っておきましょうね。
→ 保育園の入園金はいくら?保育料以外にかかる費用と制服代の相場
保育士が就職するなら公立と私立どっちが良い?
ここまでは保護者向けの公立保育園と私立の保育園の違いについて書いてきました。
次は保育士へ向けて情報を書いていきたいと思いますがどちらの母体に就職すべきなのか迷う方もいます。
これから学校を卒業して保育士になる方、転職を考えている方は自分にどちらが合っているのかを考えてみましょう。
給与面は公立保育士がベスト
まずは保育士をしていく中で大事な給与面について書いていきましょう。
よく世の中の調査などを見ると保育士の給与は平均手取り15万円なんて言われることもありますがこれは公立も私立も同じなのかといわれると違います。
この低賃金についての情報ですが実は保育士でも私立の先生だけはこの給与水準となっています。
しかし、公立の先生は公務員の給与に準ずるため給与面だけを考えるならば間違いなく公立の保育士になるほうが絶対に良いです。
公立の運営母体は市区町村をなっており、主に市役所が運営母体となって運営をされています。
そのため正社員になるということは「公務員」になるということですし、市役所にいる一般職員と同じ扱いになりますので保育士として勤務をしていても給与やボーナスに関してはすべて税金で賄われているということになります。
そのため、年功序列でどんどんと給与が上がっていきますので給料の心配をしなくても一生退職を自分から申し出ない限りは辞める必要もリストラもありません。
ボーナスも公立の方が高い
ボーナスなども公務員なのでかなり良いですし定年間近になると一般企業の重役の給与近くなることもありますので保育士として一生を過ごしていきたいと思っているならば間違いない選択です。
それに対して私立の保育士は基本的に法人や株式会社などの運営母体に採用をされることになりますのでその母体の水準になりますね。
正直売り上げや業績などに左右をされることはあまりないため安定はしているのですが、補助金も年々削られていますので公務員の保育士と比較をするとかなり低い水準での給与になるかなと思われます。
世の中の保育士の給与は月に15万円というのはあくまでも私立の民間の保育士の給与となっており、公務員の給与はそこにあてはまりませんので就職をするなら間違いなく公立です。
→ 保育士はボーナスなし?夏と冬の平均と手取り額!3回あるところも?
採用試験は難しい!公立と私立の違い
給与が良いのなら公立の保育士を目指そうと思う人も多いのですがそこまで甘くないのは試験の難しさです。
公立の保育士になるということは公務員試験に合格をするということなのですがこれがなかなかの難関になっており、市区町村にもよりますが高いところだと5倍~10倍程度になることもあります。
一般教養の他にも保育の専門的なテストや面接などがありほとんどは一般教養で落ちてしまいますので難しいですが、ここで受かれば一生安泰の保育士になれます。
私立はその保育園の就職試験を受けることになりますが今は保育士不足が続いていることから採用もされやすい状況になっていますね。
保育の独自性が面白さが私立の保育園
保育をしていく際に決まっていることをすればよいというものではなくクラスの運営となると担任の力量やチームワークというものが必要となっておりそこをクリアしなければなりません。
そこの自由さや楽しさという点では間違いなく私立になります。
私立の保育に関する方針というのはその法人や母体によって異なっており自由度が非常に高いため新しいことでも園長先生が「やってきていいよ」「面白いね」ということで始められます。
また、独自の保育も確立していけたり行事を自由にできるという点も大きな魅力となっていますので保育を思い切り楽しみたい、いろいろ考えるのが好きという場合に私立の保育園がおすすめです。
公立はどうして市区町村の考えが入りますし、その管轄内の公立保育園の方針はすべて同じで園長先生の自由に保育をすることはできませんので自由度はかなり低いです。
公立の保育園の保育は「自由にのびのびと」というイメージ、私立の保育園のような「きちんとしている」「面白い保育」「豊富な課外授業」などはないですので保育を楽しみたいならば私立のほうがおすすめです。
職場環境は公立が圧勝
保育士のイメージとしてはサービス残業が多く持ち帰りの仕事も多いというイメージになりますが職場環境においては間違いなく公立になります。
ここ最近は保育士不足となっていますが公立の場合にはそもそも正社員は退職をしませんし、足りない分はパートをたくさん採用をしているため人材的にも余裕があります。
そのため有休もとれますし土曜日に出勤をしたら月曜に代休がもらえたりと職場の環境の関しては最も恵まれている保育園だと思われます。
また労働に関してもきちんと管理をされており残業をしたらその分は残業代が支給をされることになりますね。
この辺りに関してはさすが公務員といえるだけの状態ですし持ち帰りもサービス残業も公立の場合はほぼなしですが私立は残業代も出ない、有給もとりにくい、持ち帰りの仕事も多いという点で公立とは正反対な環境といっても良いでしょう。
ただし、人間関係は公立の方がかなり大変です。
長くいる人がたくさんいますので、その人たちとうまくやっていけなければしんどい思いをすることになりますのでそこは注意が必要です。
福利厚生は公立
公立は公務員に準じていますので福利厚生に関してはかなり手厚くなっており、産休や育休はもちろん取ることができますし保証もちゃんとされています。
有給休暇の消化に関しても優遇をされていますし、残業代なども管理もされていますので福利厚生に関しては公務員である公立保育園以上の環境はないでしょう。
保育園の公立と私立の違いとどっちが良いのまとめ
個人的には私立へ絶対に行かせるべきだとは思いますが、私立でも質の低い保育園もあればとても一生懸命子供のことを考えて取り組んでいる保育園もあるのは正直なところです。
もちろんその逆もあって公立の保育園でも園長先生に力量でとても良い保育園もあります。
そのため、保育園を選ぶのならば公立と私立と関係なくまずは見学へ行ってから行きたい保育園を選ぶほうが良いでしょう。
実際にお母さん、お父さんが目でみた保育園をしっかりと選ぶほうが間違いないと思いますのでしっかりとみて確認をしてくださいね。
保育園の選び方については保育園の選び方!失敗しないポイントは距離と場所と保育園の理念を参考にしてください。
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