保育士の平均勤続年数は短い?【離職率が高い理由は給与と人間関係】

保育士の平均勤続年数は短い?【離職率が高い理由は給与と人間関係】

保育士の平均勤続年数はどれくらいかご存知ですか?

実際に私も保育士として仕事をしてきましたが、退職をする人がいない年なんてありませんでしたし毎年のように新しい人が採用をされていました。

なぜならば、仕事内容があまりにも過酷で責任も重たいものとなるため気をつけなければならないからです。

多くの保育士は頑張って保育をしよう、子どもの成長のために毎日頑張ろうとおもってきているのですがその希望や志を持っていても心半ばで離職をしてしまいますね。

この記事では保育士の平均勤続年数、離職する理由、保育士の勤続年数を長くするためにはどうすべきかということがわかります。



保育士の平均勤続年数は何年続ける?短い?長い?

保育士の平均勤続年数は何年続ける?短い?長い?それに対して保育士の勤続年数はどれくらいの長さとなっているのでしょうか?

保育士等確保対策検討会というところが保育士の離職に関するデータを出しています。

平成26年度版の資料によると、離職率は全体で10.3%となっており、世の中の保育士の総数の約10%程度(1割)が離職するという調査結果になっています。

平成26年のこのデータによると、総数317,146人中の32,823名が保育園を離職しています。

(参考:厚生労働省「保育士等に関する関係資料 」)

公立と私立で離職率には違いがある【保育園の形態】

保育園には市区町村が運営をしている公立の保育士と、社会福祉法人や宗教法人、株式会社などが運営をしている私立の保育園があります。

公立の離職率が7.1%、私立の離職率が12.0%となっています。

公立の場合は公務員試験に通過をして公務員になっているという点もありますので将来的に安定をしていることから離職率は低く、私立の保育園へ勤務をしている保育士の方が離職率が高くなっています。

私立の保育園の場合には園長や経営者の考えというものの影響を受けやすくなり、新卒もしくは転職をしてきた人でも保育が合わない人はすぐに離職をしてしまいますね。

公務員になっても退職をする人がいる現実

私立と公立では保育園の運営母体は全くことなります。

私立の場合は基本的に社会福祉法人や株式会社、宗教法人など法人関係が母体となって運営をしているケースが多くいわゆる民間と呼ばれます。

それに対して、公立は運営母体が各市町村となっており勤務をしている人も公務員試験に合格をして保育士になっていますので安定をした公務員です。

保育士の場合は給与形態もまったく異なっていますのでお金を求めるならば間違いなく公務員になる方が良いですね。

公立保育士になると給料が高い?公務員試験の内容と倍率について

正直保育士をずっと続けていきたいと思っているならば間違いなく公務員なのですが、これを退職する人もいます。

中には公務員になりたくて仕方がないという方もいるのは正直なところなのですが、退職をする人の理由には民間の私立と同じような人間関係というものがありますね。

そのため、退職をする人もいますし民間の保育園のように保育に自由度が少なく制約も多いのが公立の保育園で市町村の考えについていけないという考えから退職をする方もいます。

民間の保育士の先生からするともったいないという印象なのですが、公務員の先生の考えはどこか異なるようですね。

一般企業の平均勤続年数は何年なの?保育士との違い

一般企業ならば、就職をしてその会社へ定年までいるというのが昔の日本でした。

今はだいぶと変わってしまっているため、一般企業でも転職をする人は多くなっており早ければ就職をして数か月で退職をする人もいれば5年勤めたらすぐにやめるというような感じになっています。

一般企業でまずは見ていると、全産業の平均は約13年の勤続年数となっており1つの会社に短い人でも数年がいるというのがスタンダードな考えとなっています。

勤続年数の長い会社ランキング

勤続年数の長い企業ランキングを見ていると、1位は相鉄ホールディングスとなっており、神奈川を地盤に鉄道やバス、不動産、スーパーなどを展開しています。

ホテル「フレッサイン」や「サンルート」もグループで運営している会社で平均勤続年数は25.2年が日本の企業ではトップとなっています。

勤続年数が長いということは、働きやすい環境であるということになりますし、働いている人もお給料や休日なども福利厚生も納得のいく形となっているのでしょう。

もちろんすぐに離職をする会社もあると思いますが、平均勤続年数13年はなかなかの長さだと思いますね。

平均勤続年数は何年?保育士は何年続けている人が多い?

保育士の平均勤続年数は男女を合計してみると、7.6年という結果がでていますが1つの保育園という決まりではなく「保育士として保育園で」という程度の縛りでの調査となります。

1つの保育園にずっと勤務を長くしているのかと言われるともっと短いスパンでの転職をしている可能性があり中には3年スパンで転職を繰り返している保育士も多いというのが現状です。

また、保育園や保育士を管轄してる厚生労働省が平成25年に行ったとされている「保育士資格を有しながら、保育士としての就職を希望しない求職者に対する意識調査」を調べてましょう。

すると、保育士の平均勤続年数で最も多いのは、5年以上10年未満となっていることがわかりました。

その次が3年以上5年未満、1年以上3年未満と勤続年数が短い人が多いことがわかっており、その次に多いのは、10年以上20年未満という人たちになっています。

1年未満で退職をする保育士は10%

5年以上10年未満は、30.7%となっていますが保育士になってすぐに退職をしている1年未満という人も10.0%いることがわかっていますね。

このような調査を見ているとわかることが、保育士として働いていたとしても1つの保育園で長く勤務をしている人は少ないです。

どちらかといえば保育士としては勤務をしているけれども1つの保育園ではなく、転職をして保育士と続けていることが多いということがわかります。

その中でも早期に退職をしている人はハローワークやネット関係での求人を探しており、すぐに次に就職先が決まっているということがわかりますね。

しかし、保育士として仕事をして転職をしていたとしても、結局は7年程度で保育士から他の世界である異業種に流れている傾向がありますね。

保育士の離職理由についてを次に書いていきたいと思います。

保育士を辞めたい1年目が多い理由は人間関係と自信がないこと

保育士は2年未満で離職する人が多い

私立の離職の中でも短期間での離職は問題となっており、勤務をしても2年未満で離職してしまうという人平均14.9%となっており、そのうち私立は17.9%、公立は10.1%となってます。

2年から4年未満、4年から6年未満、6年から8年未満と勤続年数が長くなるほど退職をする割合が下がっていきますが、8年未満で離職する人がとても多く、それ以降は比較的長く勤務をする人も多いです。

公立の保育士の場合は早期の退職をしない場合は比較的長く勤務をする傾向にあり定年まで保育士をする人も多いですね。

もちろん公務員なので定年までいた場合には年金などのメリットが大きいという点でも離職率が少ない理由に挙げられます。

全体的な統計を見た場合に私立の保育士がいかに退職する確率が高いかということがわかるとおもいますし、保育士業界全体の離職率は高いですね。

保育士の離職率が高く勤続年数が短いのか?5つの理由を解説

保育士の離職理由で多い順に紹介をしていきましょう。

もちろん個々に他の理由もあるのですが、保育士として仕事を続けて行くために難しいことになりますので書いていきましょう。

1.給料が安く上がらない

2.労働環境や待遇が悪い

3.人間関係に疲れる

4.結婚などの寿退社

5.異業種への憧れ

1.給料が安く上がらない

最も多い理由として挙げられるのは、給料が低いことですね。

保育士は低賃金で働かなければならないというのが現実で、給料はなかなか上がらないというのもシビアな現実となっています。

処遇改善手当がされていても平均の年収は296万円と全産業と比較をすると年間にして100万円以上も低いことがわかっていますので、保育士として転職を何度かしてから退職をして異業種へ行くという方は多いのでしょう。

(月の手取りの平均は15~18万円程度です)

また、初任給でもらったお給料から10年勤務をしても1万円~2万円の昇給しかないです。

結果としては頑張ってもお給料や賞与が増える仕組みではないため保育士として続けていくことをあきらめてしまう人もいますね。

→ 保育士が給料を上げる方法7選!平均手取り15万円の安い給料から脱却

2.労働環境や待遇が悪い

勤務時間が長く、朝の6:30~夜の20:00までのシフト制で仕事内容は過酷。

サービス残業当たり前、持ち帰りの仕事が当たり前で休みの日でも仕事をしているというような現状で仕事をしていかなければなりません。

もちろん残業代なども支給をされていないことから待遇の悪さが原因で退職をする保育士も多くなっています。

また、休日日数も少ないですし人員的にも余裕がなくぎりぎりで保育をしていることから有給も取りにくいです。

病気になっても簡単に休めないという状況となっているためすぐに退職をしてしまう方が多いです。

これは私も実際に経験しており体調が悪くても仕事をしなければならない状態となっているためなかなか体的にはキツイ状態になってしまうことも多かったです。

3.人間関係に疲れる

保育士というのは子ども、保護者、先生同士など人と人とのかかわりが基本となっている仕事となっています。

しかし、現場の中の保育士同士の人間関係はドロドロとしているところも多く、いじめやパワハラなども日常茶飯事となっている保育園も多いです。

中にはうつ病などの精神的な病気になってしまい離職をする方もいるほどです。

実は保育士の退職理由でも最も多いとされており、実際に仕事をするとなった場合に人間関係は多いです。

陰湿な上司、無理難題を申してくる保護者などいろいろな人がおり精神的に疲れてしまうことも多いため中には精神的にきつくなってしまうことも多いですね。

→ ブラック保育園のリアルとは?10の特徴と見分け方を保育士が解説

4.結婚などの寿退社

保育士という仕事は男性から人気があるため、結婚を機に現場から離れる方も多くなっています。

そのため、結果的には保育士を辞めてしまう方も多いですね、

保育士さんの多くは普段から子どもとかかわる仕事が基本となっているため、自分の子どもを育てたいという願望を持っている方も多いです。

そのため、若いうちに結婚をしてそのまま保育の世界から離れてしまう方も多いです。

保育士という仕事をしていると男性からは正直モテますし、結婚相手が見つかるとうまく結婚までつながるケースも多くなっているため恋人ができてあっという間に結婚をしてしまう人もおおいですね。

→ 保育士の結婚年齢の平均は?相手の選び方とできない時の対処法

5.異業種への憧れ

保育士という仕事に就きたいと思って保育士資格を取得しようとする方も多いですが、保育士として仕事をしている人からすると他の仕事へのあこがれを持つ方も多いですね。

女性の場合は保育士を辞めて異業種へ行く方も多く、アパレル関係、ウェディングプランナー、雑貨屋、カフェ、家具などの接客業に就く方も多いですし、中には看護師などの高収入が見込める仕事へ転職をする方も多いです。

このような理由がありますが、最も多い悩みは1位に紹介をしているお給料になりますね。

女性も悩んでいる方が多いのですが、男性保育士は保育園で働いて数年で挫折をする方も多くなっています。

しかし、他の業界へ転職をしても結局は「保育をしたい」という思いを持っている保育士さんも多く現場へ復帰をしている人も多いので、ある意味保育という仕事のは魅力もあるのかなと思いますね。

→ 保育士から違う仕事へ転職する方法!一般企業や異業種へ行ける?

保育士を辞めたいならば転職をするという選択肢を持つべき

もし、今働いている保育園の待遇などに問題があるのなら転職という選択肢を持つことも大事だと思います。

仕事をしている人も転職をするというのは自分の選択肢の1つだとおもいますので、そこは自由に選ぶ権利がありますね。

ここ数年は保育士の就職は非常に有利となっており、保育園が採用をする人を選ぶというよりは保育士は就職をする保育園を選ぶという流れになりつつあります。

保育園の経営の側からの視点だと、人と選ぶというよりも保育士を持っている人ならばすぐにでも働いてほしいという思いがありますね。

保育士では給料は上がらない

しかし、正直保育園で転職をしたとしてもお給料が一気に数万円も上がるのかと言われるとそれは難しいと思います。

保育園というのは補助金で成り立っている業界で簡単には上がらないという仕組みもありますが休みの面や有休のとりやすさという点では保育園によって異なると思いますので今の保育園に不満を持っているならば転職をするというのは1つの選択肢だと思います。

私は採用側もしていたのですが、1つアドバイスをするならば転職をするにしても最低3年は勤務をしてから転職をするほうが良いです。

1つの保育園に3年勤務していない人は転職はしないほうが良い

まず、1つの保育園で3年勤務ができないということはどこの保育園でも「また辞める」「スグに辞める」という印象を持たれる可能性も高いです。

せっかく転職をしても1つの保育園で3年続けていない人の場合はキャリア(保育歴、保育能力)として認めてもらえない可能性もあります。

保育士の平均勤続年数を見ていると1つの保育園での勤務日数が短い印象も多いので石の上にも三年という言葉があるように最低でも3年は働いてから転職をするとより良い条件で就職をできるかなと思いますね。

転職をするならエージェントを使おう

もし、保育士として転職をするならば保育士の転職エージェントを利用しましょう。

エージェントとは紹介型の保育士求人となっており、あなたの希望に沿った保育園を探してくれ面接の調整から入職まですべてサポートをしてくれる会社となっています。

利用は無料で転職採用試験を受ける保育園の情報を教えてくれますし、給料などに関してはあなたの希望をする金額を提示してくれるように交渉なども行ってくれます。

そのため、あなたが転職をする理由をエージェントに伝えることでそれを解消してくれる転職先を案内してくれますのでおすすめです。

→ 【保育士向け】転職エージェントのおすすめ活用方法!口コミと評判

自分で転職するよりプロに任せよう

正直、お給料を上げるために保育園を転職してもなかなか転職はうまくいかない可能性があります。

私も実際に転職エージェントを利用しましたが、なかなか見つからないというのは正直なところでした。

そのため、「休みの充実や夏季などの長期休暇取れる」「残業や持ち帰りの少ない保育園」「働く人間関係が良い」というような働きやすい保育園を探すなどをすると良いかもしれません。

勤続年数が少ない業界ですが、転職をすると保育の方法が保育園によって異なることから覚え直さなければなりませんし、人間関係も最初からとなります。

保育士をするならば同じ職場で長く勤務ができることが何よりだと思いますし、それが結局人間関係も良好に保ち、お給料も上がっていく仕組みになると思います。

途中退職よりも円満退職をしよう

もちろん誰もがずっと同じ保育園で勤務をしていけるとは思いませんが、退職をする、離職をすると決めた際に気を付けたいことは「途中退職はしないこと」です。

若い世代の保育士に多いのですが、最近は保育士の求人が常に出ている状態となっていることから就職をしても3年以内に退職を申し出る人が多く、中には少しイヤなことがあっただけでも退職をしてしまう人もいます。

中でも保育士をしてタブーとなっているのは途中退職です。

途中退職をすると子供だけではなく、一緒に組んで保育をしている先生ももちろんですし保護者の人などたくさんの人に迷惑をかけることになります。

退職をいつするにしてもせめて円満退職をしたいものです。

揉めるような辞め方をすると次の転職にも響きますし、保育業界というのは狭いものなのでどこまでつながっている可能性もありますので真面目にできれば年度末退職。

途中退職ならば勤務をしている保育園に迷惑をかけないような辞め方をしましょう。

保育士の平均勤続年数と離職理由のまとめ【長く勤務できる場所へ行こう】

ここまで保育士の勤続年数と離職についてまとめてきました。

保育士という仕事は毎日子供をかかわることができるとても素敵な仕事なのですが、それだけではなかなかシビアに難しい問題となっており、離職が多い現場でもあります。

給与という問題はあるのですが、それだけで潜在保育士の人たちが保育の現場に戻ってくるのかといわれると私は「NO」だと思います。

現に元保育士の友人はたくさんいますが「給料が上がっても戻りたくない」というのは全員が口を揃えて言っていることになります。

理由としては「お金も安いがそれよりも労働環境が・・・」という意見が多いです。

結局休みが少なかったり、持ち帰りの仕事が多かったり、残業をしてもすべてサービス残業だったり、経営者が園長だけはすごく良い思いをしていたり。

保育士として続けていく気持ちがなくなってしまうというのが正直な気持ちではないでしょうか?

保育士という仕事の本質がもっと変わらなければ今後も保育士の離職は不足は続いていくような気持ちになって仕方がありませんね。

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