お泊り保育のねらいと内容とは?保育士の仕事と計画と注意点を解説

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お泊り保育のねらいと内容はどうしますか?

保育園の行事と言えば「運動会」「発表会」「音楽会」が定番ですが夏に行う一大イベントといえばお泊り保育です。

お泊り保育の時期は夏休みの前に行われることが多く、年長の担任の大きな仕事の1つですし、ねらいを持って行うことが大切です。

しかし、どのような内容にしてねらいと持つかは難しいものです。

この記事ではお泊り保育のねらいや内容、保育士の仕事などがわかります。



お泊り保育のねらいと内容とは?保育士の仕事と計画と注意点を解説

そもそも保育園や幼稚園でお泊り保育をするねらいとは何でしょうか?

これは各保育園や幼稚園によって異なりますが、一般的なねらいを以下にまとめていきます。

ねらいや目的をこれから考えていこうという方はぜひ参考にしてください。

・保護者のもとを離れて、友達を共同生活をすることにより自立心や自信を身に着ける。

・共同生活を通して友達や先生と仲間意識を深めたり、協調性を育てる。

・早寝早起きや食事、挨拶など集団生活の中で規則正しい生活を送る。

・友達と一緒に過ごすことにより、協調性やルールを守ることを知る。

お泊り保育にとって大事なキーワードは4つです。

子供の自立

自信をつける。

協調性や結束力を高める(5歳児のクラスとして)

正しい生活を身に着ける。

特にこの4つのキーワードは重要で、お泊り保育をする目的にもなりますね。

テーマを決めてもわかりやすいかもしれません。

お泊り保育のねらいと目的4選【明確に理解しよう】

先ほど書いた4つについて説明します。

子供の自立:保護者と離れてお泊り保育をすることになるため、身の回りのことを自分でやらなければなりません。そのために自身の力を身に着けること。

自信をつける:年長児のクラスにいると自己を出せない、消極的な子供も多いです。そのような子供の気持ちを強くするために自信をつけられる内容を入れると良いでしょう。

協調性や結束力を高める(5歳児のクラスとして):お泊り保育を通して協調性や結束をより深め仲間意識を植え付けます。結果的にはそれが運動会や発表会など大きな行事でいきてきます。

正しい生活を身に着ける:保育園へきているため基本的な生活習慣は身についているのですが、それだけではありません。お泊りを通してすべて自分でやることによりさらに生活力が向上します。

特に「自身」「協調や結束」というキーワードはお泊り保育の最大の目的といえますので、年長の担任になったら4~5月くらいには具体的にしておきたいものですね。

お泊り保育の時期はいつ?日数も紹介

お泊り保育の時期は夏が多いです。

特に7月の中旬~8月の中旬のお盆までに実施をするケースが多いですね。

この時期に開催をする理由として1学期のクラス作りの集大成として、それ以降は運動会の練習で忙しくなる、天気も暑いが晴れることが多い、今後の行事に向けて結束力を高めたいというねらいがあります。

私の勤務をしていた園は夏に保育園でお泊り保育をして、冬に雪キャンプをするというケースもあったので勤務をする園によって回数もことなるようです。

しかし、宿泊期間は1泊2日となっているのが定番。

先生もさすがに2泊は辛いという本音もありますが、子供の負担も考えると1泊が最適でしょう。

お泊り保育の費用はどうなる?

お泊り保育の費用は保育園によって様々。

一番多いのは年間で積み立てをしてもらうパターンが多く、4歳児の夏から月に1,000円ずつ、5歳児になってから月に2,000円ずつなど異なりますし、中にはお泊り保育費用として1万円ほど請求をされるパターンもあります。

基本無料ということはなく、保育料からでるはずもありませんので保護者の実費扱いになりますね。

園によって費用も大きく差がありますので、一概に○○円とは言えませんね。

多いケースとしては、行く施設とバス代で2000円くらいの請求が一般的だといえます。

→ 戸外遊びのねらいとは?保育園で重要なお外遊びを学年別に解説

お泊り保育の内容はねらいと案を紹介!保育園の考えを取り入れよう

お泊り保育のねらいが決まったら次に内容ですね。

どのような内容をすれば「ねらいが達成できるか?」を考えるとより分かりやすくなります。

私が経験をした内容は以下のものですし、友人らに聞いたお泊り保育の内容も書いていきます。

保育園へお泊りする

お泊り保育の半数以上は保育園へお泊りをするというパターンになります。

・朝から昼はアクティビティ。

・夕方からご飯作り。

・夜やキャンプファイアをする。

・就寝。朝にお迎え。

保育園だと子供たちが日ごろ慣れ親しんでいる場所でお泊りをすることができますので、不安な気持ちになる子供が少なくねらいを達しすることができるという点があります。

キャンプ場へ行く

次にお泊り保育として多いパターンはキャンプ場へ行くというものです。

キャンプ場はバンガローなどがあり子供も宿泊しやすい環境が整っていること、野外での活動を楽しめるという点が向いています

・キャンプ場まで公共交通機関を利用していく。(バスの場合もあり)

・自然の中でアクティビティを行う。

・15:00くらいからご飯を作って食べる。

・キャンプファイアをしてお風呂へ入って就寝。

・翌日は朝ごはんを食べてお昼には帰る。

キャンプ場は比較的利用がしやすい施設ですし、シーズンインをしています。

山の中でしか作れない記念品を作っても良いですね。

夏に暑くなりすぎないため安全に保育をしていくためにも最適な場所といえますが、キャンプに慣れている人、自然を知っている人がそばにいなければ少し敷居が高いです。

外の宿泊施設へ泊る

あとは外の宿泊施設へ泊るパターンです。

これは目的をもってアクティビティを重視するための方法となるため、結束力や協調性を高める点は向いています。

ただし、自身らでご飯を作ったりする経験はほとんど無理です。

・バスもしくは電車で目的地まで移動をする。

・アクティビティを行う。

・宿泊施設の食事を食べる。

・夜も室内にてアクティビティを行う。

・就寝。お昼くらいまでには園に帰る。

宿泊施設を使う場合はアクティビティがしっかりとしている、そして担任が明確な理由を持っているならばよいですが、毎年の流れで、なんとなくなどねらいがしっかりとしていない場合は避けておきましょう。

次にお泊り保育の内容をより細かく書きます。

日中のアクティビティ

お泊り保育でいきなりメインイベントとなるのですが、このアクティビティはとても重要です。

子供達の体力、元気も残っているうちにねらいを達成するためにここのアクティビティは手を抜かないようにしましょう。

日中の活動でいかに狙いを達成できるかにスポットを持つと良いですね。

私が過去に実施したお昼のアクティビティの活動は以下の通り。ねらいはすべて「協調性」「結束力を高める」ことです。

・小学生くらいで登れる登山に挑戦し、子供達一人一人に自信をつけさせる。

・ハイキングを含めてオリエンテーリングを実施し、チームで協力をしてゴールを目指す。

・奈良の保育園で行ったのですが、奈良に住んでいるため歴史を深めるために大仏について事前に勉強。その後、奈良公園で東大寺までオリエンテーリングを実施し、実際に大仏を見る。

その後絵画をさせたり、感想を書かせたして体験をしたことを発表させる。

・自然の中を散策し虫や植物を発見する。その際に手には虫や植物図鑑を持って各チームで発見をしたものを発表する。

※テーマを決めておきそのものに興味を持てる事前学習が必須。

こんな風なものがあります。

特にオリエンテーリングを3グループくらいにし、先生が一人ついて回ることで子供達の結束力が高まりますので活動をしては良いです。

奈良でやった大仏について興味を持つはなかなか楽しめその後子供たちが歴史に興味を持ったという経緯もあります。

歴史的な街並みである京都や鎌倉などたくさんあると思いますので実施してみてはいかがですか?

買い物や調理体験

お泊り保育はご飯も楽しみ。

特に夜のご飯は子供達が作るケースが多く、定番のカレーライスが多いです。

その際に買い物を当日、もしくは前日に行きそこでスーパーマーケットで体験をさせることも重要です。

お金の使い方やお店の中で商品を探す社会体験ができますので子供たちのコミュニケーションや協調性がより密になります。

夜はみんなで協力をして「同じ釜の飯」を食べます。

「みんなで作った」「全員で夜ご飯を食べた」という達成感を味わえますのでご飯作りは良いですね。

ただし、想像以上に時間がかかりますのでタイムテーブルはしっかりとしておきましょう。

夜のアクティビティ

夜は昼とは違った楽しみがあり、独特の雰囲気もあります。

定番は保育園でキャンプファイヤーを行う、花火、星空観察など屋外で行われることが多いですし、少し暗くした園内を探検したり肝試しをしたりするケースもあります。

夜は子供達もだいぶと疲れていますのでハードは活動は避けるべきですが、結束力を身に着ける点でもしっかりと計画をしておきたいですね。

キャンプファイヤーの時にゲームをしたり、雨の場合の行事についても決めておくとわかりやすいです。

朝食作り

朝起きてからはすぐにお迎えの場合もありますし、お昼まで預かるパターンもあります。

多くは朝にお迎えになりますのでパンにジャムを塗る、ご飯を炊くなど簡易な朝食作りをするケースは多いですね。

お泊り保育の注意点と持ち物【お風呂の怪我や事故に注意】

子供にとって楽しみなお泊り保育ですが、保育士は注意をしなければならないことも多いです。

特に以下の点は注意をしておきたいので、しっかりと把握をしておきましょう。

ケガや体調不良

お泊り保育につきもののケガや体調不良には要注意です。

子供達もお泊り保育ということでなんとなく浮足立っているような感じにもなりますので、保育士はしっかりと気持ちを引き締めておきましょう。

ケガや体調不良に関しては看護師と事前に打ち合わせをしておくべきですね。

さみしがりの子供の心のケア

お泊り保育ではじめて親と離れて過ごすという子供も多いです。

そのため、さみしくなったり時には泣いてしまったりする子供もでてきます。

そんなときに優しく気持ちを受け止めて対応をすれば問題ありませんし、さみしい気持ちを乗り越えるのもお泊り保育にとって大事なポイントです。

お風呂での事故

お風呂は特に要注意。

先ほども書きましたが、子供達はお泊り保育ということで気持ちが浮足立っています。

お風呂で転倒をした、走って危険、おぼれたなどの危険性があるため要注意です。

就寝時の配慮

また、就寝時にはオムツを履いている、人形がそばにないと寝れないなどの場合もあります。

そんなときには個別の配慮が必要ですね。

オムツはプライドがあるので友達がいない場所で履かせるようにし、お人形は「今日だけ頑張ってみようか?」など声をかけて乗り越えさせてみるのも良い方法です。

お泊り保育の持ち物一覧

子供の持ち物一覧を書いておきます。

もちろん保育園によって他のものも必要になる場合があると思いますが、それは追加をしてください。

保育士さん、保護者の方の参考に使ってください。

・帽子(園で使っているもの)

・上靴(園で使っているもの)

・ハンカチ

・ティッシュ

・コップ(食事・歯磨き用。園で使っているもの)

・水筒(ひも付きで肩から掛けられるもの)

・歯ブラシ

・下着

・着替え(活動しやすいもの)

・パジャマ

・お風呂用のタオル

・バスタオル(就寝時に使)

・ビニール袋(着たあとの服を入れるためのもの ※大きめと小さめを用意する)

・食事を作る場合そのための服装(エプロンなど)

・常備薬(酔い止め、持病の薬など。園の先生に事前に相談すること)

・健康調査用紙(幼稚園・保育園から配布されたもの)

この辺りが定番のお泊り保育の持ち物です。

多くの場合はこれを1つのリュックへ入れてほしいとお願いをされます。

自分で大きな荷物を運ぶことも大事な仕事なので用意をしておきましょう。

→ 保育園の運動会の種目と年齢別アイデア!ねらいと親子競技も紹介

お泊り保育の保育士の仕事内容と手当【給料はどうなるの?】

お泊り保育の保育士の仕事はたくさんあります。

計画的に仕事をしていかなければなりませんので、以下のお泊り保育を実施するまでの仕事内容を書いていきましょう。

7月中旬を実施日として計算をします。

用意をすべき内容
4月・子供たちの様子を把握し、何をねらいにすべきか考える。(4歳児からの持ち上がり担任ならばすぐにねらいを考える)

・内容をざっくりと考えて宿泊する場所を園長先生と主任と相談をする。

・子供達にもお泊り保育があることを伝え意識をさせていく。

5月・ねらいが決定し実施場所も決定する。

・主任や担任らとお泊り保育を実施する内容を詰めていき、下見を開始して活動のイメージを作り上げる。(担当をする、一緒に活動する先生も決める。担任+α)

・特にアクティビティや外の施設の場合には2~3回ほど下見に行き、危険がないか?安全に活動できるかを確認する。

・後半には親にお泊り保育の実施場所を用意をしてもらう準備物などの手紙を配布する。

6月・お泊り保育の実施へ向けて子供たちにも内容を伝える。グループわけや準備をしなければならないことを子供たちと準備していく。

・先生たちも準備リストを作り7月上旬までにはすべて用意をしてしまう。

・デイリースケジュール(日案)を作成し、抜けや漏れがないかを担任間で話し合い決める。

・山のぼりやハイキングなどの活動をする場合には、別の場所でもよいので実際に活動しシミュレーションを行う。

7月・お泊り保育実施へ向けて子供と先生たちで気持ちを盛り上げる。

・荷物の最終チェックを行い抜け漏れがないかを確認する。(実施日の一週間前まで)

・子供の健康調査票を提出してもらい、担当職員で共有をする。

【お泊り保育実施)

上記のような流れで行ければスムーズですので、お泊り保育を担当する年長の担任の先生は参考にして下さい。

あとは雨の場合のタイムテーブルも一緒に考えておかなければなりませんので、晴れバージョンと雨バージョンで使い分けましょう。

→ 保育園の行事一覧!幼稚園との違いと特色がある保育園の行事情報

お泊り保育のタイムテーブル

お泊り保育のタイムテーブルに迷う先生も多いと思いますので参考を紹介します。

もちろんお泊り保育の集合時間によっても異なりますのであとは各園の流れに合わせてみてください。

【1日目】

9:00:集合・点呼・健康チェック・荷物チェック

9:30:開会式と宣誓を行う

10:00:活動開始(買い物や日中のアクティビティ)

15:00:園内にて休憩後、夕食作り

18:00:夕食を食べる

19:00:キャンプファイアーや花火など夜のアクティビティ

20:00:お風呂と歯磨きをして就寝準備

21:00:絵本を読んで就寝

【2日目】

6:00:起床・歯磨きな身支度をする・荷物の整理

6:30:ラジオ体操

7:00:朝ごはん

8:00:片付け

9:00:閉会式・保護者へ説明

9:30:解散・帰宅

あとは各園のスタート時間によって使い分けてください。

お泊り保育に手当はつくの?【保育士の給料事情】

お泊り保育を実施するにあたり、保育士の先生はたくさんの用意をして臨みます。

もちろん子供たちと一緒にお泊りをすることになりますので朝の8:00~翌日のお昼くらいまで仕事をすることになりますね。

子供達が寝たら寝れそうなイメージですが、寝ている間にメダルを作ったり、保護者に見せるためのスライドなどを作る園も多いため結局はほとんど寝ることがないというのがお泊り保育の現状です。

子供もいつもと違う環境なのですぐに起きてしまいますしね。

そんなお泊り保育ですが、手当や代休などは園によって異なるようです。

私の今までの経験を書くと、

・特別手当5,000円を支給される。

・夜間手当3,000円と夏に一日代休がもらえる。

・手当なし、代休だけがもらえる。

・手当、代休なし。

こんな風になっており、たくさんの手当がもらえたりするケースは稀ですので覚悟をしておきましょう。

お泊り保育のねらいと内容のまとめ【保育園の方針を理解しよう】

お泊り保育について書いてきました。

保育園の中でも大きなイベントと言えるお泊り保育は年長児の担任にとっては大きなものです。

準備などは大変なのですが、その分子供たちに成長が著しくお泊り保育を経験しただけで「こんなに成長する?」とこちらが驚かされるくらいのことがあります。

お泊り保育は子供も親も一つ階段を上るための大事な行事ですし、年長児の運動会や発表会へ向けて協調性や結束力をつけるための大事なイベントといえます。

しっかりとねらいを持ってお泊り保育へ取り組みたいものですね。

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