保育園の開業資金はいくらでしょうか?
今は保育園が足りない、入りたい保育園がないという問題があり、すぐに保育園を作ってほしいという願いをたくさんの人が持っています。
保育園が足りないことから子供を預けたくても預けられない待機児童もどんどんと増えており保育園の確保が急務でしょう。
そんな保育園問題ですがわからないことも多いですね。
この記事では保育園を開業資金や基礎知識、失敗する事例などがわかります。
目次
保育園を開業資金と収益性と基礎知識6選!失敗する?利益で儲かる?
保育園はここ数年で爆発的に増えています。
幼児教育無償化も導入をされたことから働く世代であるワーママたちの費用負担はどんどんと減っていきますのでより仕事をするために預けたいという方も多いです。
実はその待機児童の問題があったことから保育園を開業するための規制が緩和をされました。
2000年以前は保育園を経営するためには「社会福祉法人であること」という決まりがあったのですが、規制の緩和により株式会社やNPO法人などでも開かれることになりました。
つまり、保育園を開業するための敷居が少し下がったといえます。
保育園の開業は経営をするということ【儲かるか?失敗か】
実は私も保育士をしているときに「自分の保育園が持ちたい」と思っていました。
そんな考えを持っている変わっている保育士だったのですが、いろんな保育士さんを話をしてみると意外と保育園を作りたいという声を聞くことがあります。
特に男性保育士に多いのですが、そこにはシビアに経営をするということを求められます。
経営とはビジネスの基本となる3つの柱「ヒト・モノ・カネ」が上げられており、結果的には施設だけを用意してもだめですし、人材だけでもダメです。
もちろん初期投資は驚くほどの費用が必要となりますので、驚くほどの借金をして経営をしていくということになります。
特に苦労をするのがヒトです。
保育士はここ数年で慢性的に不足をしており、採用をするにもなかなか人が来てくれないということになります。
開業をする地域にもよりますが、給与、休暇、労働環境などいろんな面で人を採用することに苦労をすることになりますので注意をしなければなりません。
→ 認可外保育園は経営難?料金が高くても補助金なし!集客がポイント
保育園を開業で失敗しない基礎知識6選【経営の目線が大事】
そんな保育園ですが、知っておきたい基礎知識を書いていきましょう。
この記事を読んでくださっているということは、保育園を開業したい、これから開園を目指している、どうやれば開業できるのか?などきになっている証拠だと思います。
そこで、保育園を開業する基礎知識を書いていきますね。
1.資格と経験は必要なのか?【経営者は必要なし】
まず、保育園を開園したいと思った場合に気になることが「資格」「経験」は必要なのか?という点です。
これについては原則「資格は必要なし」ですし、「経験も必要なし」です。
実際に保育士資格も持っておらず、実務経験もないけれども経営ができる人は成功をしている方がとても多いといわれています。
もちろん経営をしていくとなるとたくさんの有資格者を採用しなければなりませんので覚えておきましょう。
株式会社が運営をする保育園の中には本社の部長クラスの人が来ることもありますので管理能力や経営能力があれば成功をしている人も多いです。
運営は苦労する
ただし、運営は苦労をします。
保育士さんに保育の指導をしたいと思ってもできませんし、実務経験もないため子どものこと、保育のことが一切わかりません。
そうなると結果的には一緒に働く保育士さんからの信頼が得られなくなってしまいますので注意が必要です。
運営をしていく際に経験も知識もないならば、経営者であるあなたと職員との橋渡しを担ってくれる主任や副園長となる人材が必要となるでしょう。
女性のマネジメントは大変
特に保育園は女性のマネジメントが大変です。
保育園は男性保育士もいますが、まだまだ女性主導の職場となります。
そのため、女性特有の関係性や問題も上がってきますのでそこは理解をしておかなければなりません。
もし経営をする方は未経験ならば副園長となる人に、主任となる人の採用はマネジメントと保育ができる人を採用すべきですね。
2.初期費用はいくら必要なのか?【保育園の開園費用】
次に費用は間違いなく必要となります。
設立をする保育園の形態によってもことなりますが、無認可でも最低500万円くらいは必要ですし、認可の場合だといちからつくるとなったら1億円くらいは必要になるケースも。
土地を探して建物をたてるところからスタートとなりますし、保育園は耐震や設置基準もものすごく厳しいので費用がかさみます。
そのため、銀行からの借り入れや、日本政策金融公庫の融資をうけていくことになります。
建物が立つまでに保育士の確保のための採用費用などかかるものも多いので、保育園の初期費用は驚くほどかかりますので資産があるならばよいですが、資産がなければ借金をすることは基本です。
3.設立をするのは認可?無認可?
保育園を作りたいと思っている方が考えなければならないことがあります。
それは「認可保育園」なのか?「無認可保育園なのか?」という点です。
個人的には認可保育園を作れるならば間違いなく認可保育園を作る方が良いです。
認可保育園は国が定める設置基準をクリアしなければなりませんので敷居も高くかなり苦労をすることになりますし、施設や人材を確保出来たら、保育施設を新規で設立する場合は各自治体に届出を出さなければなりません。
自治体の規定に沿って、施設の案内図や施設配置図、職員の名簿などの書類の提出が求められることもあります。
それだけ基準は厳しいですし土地を探す、建物の設置の認可をもらうなど数年単位で期間を要しますが、自治体からの補助金や税制での優遇をされることがあります。
特に社会福祉法人になると独立行政法人や医療福祉法人からの低金利融資も受けられたりもしますね。
認可外保育園は設置は簡単
認可保育園を作るとなったら期間がとにかくかかりますし、自治体の人たちとの関係性も大事になります。
しかし、認可外保育園(無認可保育園)の場合は設置は容易となります。
基本は認可外保育園設置基準を満たしていれば個人でも建物を借り入れして保育園に必要な設備を整えれば可能です。
認可外保育園は素人でも容易に設立が可能となりますが、その分運営は認可よりも厳しくなります。
その理由は「園児は自分で集めなければならない」ためです。
認可は市役所から子供たちの入園が決められますが、認可外保育園は完全なるサービス業なのでホームページから運営に至るまで苦労をすることになります。
私も認可外保育園で運営をしてきており、幸いなことに園児を集めることに成功をしていますので認可外保育園の運営や集客についてしりたいという方はお問い合わせよりご連絡ください。
→ 無認可保育園は料金が高くても補助金なしで経営難!経営は集客が重要
設立は子供の安全性を重視すべき
そして何よりも大事なことは子供の安全性や保護者のニーズにこたえることを重視すべきです。
認可は設立をするまでの壁は高く、国や自治体の定める基準のクリア、園児の定員、保育室や園庭の広さ、園児一人当たりの保育士の人数など細かく定められています。
認可外保育園ももちろん基準はあるのですが、認可を比べると圧倒的に設置がしやすいです。
どちらが良い、悪いというわけではなく「子供の安全が最優先」とすべきなので理解をしておくべきですね。
4.保育園経営の収入と年収について【儲かる?失敗する】
保育園経営をすれば「稼げる?」と思う方も多いでしょう。
もちろん経営をするとなったら生活費としても重要なお金となるため、お金から目を背けるわけにはいきませんので注意が必要となります。
ネットなどに「保育園は儲かる(稼げる)」「保育園の園長はベンツを持っている」などと言われていますが実際にところも理解をしておく必要があります。
まず、認可の場合は運営費はほぼ補助金となります。
そのため園児1人に対して資金が入ってきますので、園児の数が多ければ多いほど補助金の金額はどんどんと増えていきます。
仕組みは簡単で「園児数×補助金-運営費(家賃、人件費、運営費など)」となりますので園児数が多ければよいと思います。
ただし、保育士が見れる子供の人数は法的に定められているため人件費も同時に増えることを考えるといたちごっこになってしまいます。
中にはベテランばかり雇いすぎて結果的には赤字運営になってしまったという人もいますので、ベテラン保育士と若手保育士のバランスを取らなければなりません。
安定はするが大儲けはできない
保育園は園児数も決まっていますので大きな収益は求めることはできません。
定員になった時点でそこが頭打ちとなりますのでそこから増えるということはまずないでしょう。
しかし、園児数がいれば安定は抜群にしており認可保育園のオーナーで園長をしている人の場合は年収700~1200万円が相場といえます。
安定をして運営をしていけますので継続的に運営をしていけますが、今後は少子化の影響のあるので将来のビジョンとしては厳しい現状があるかもしれません。
→ 保育園園長の年収と給料はいくら?幼稚園と雇われ園長の仕事も解説
認可外保育園は厳しい
ただし、無認可保育園は園児数がそのまますべての運営費に直結をします。
そのため、運営はかなり厳しく園児が退園したりするとそれだけで収益はマイナスになってしまいますが人をいきなり解雇をすることはできないためシビアに厳しいです。
私は無認可保育園を企業にいながら運営をしてきましたが、自分でやりたいかと言われると躊躇する部分はありますね。
立地、コンセプト、やり方によってはもちろん認可保育園よりも稼げる可能性もありますが軌道に乗せるまでは大変です。
5.保育園経営のメリットデメリット
保育園運営のメリットデメリットについても書いていきましょう。
メリット
メリットは下記の通りになります。
・初期投資が少なくてすみ、利益率は比較的高く投資の回収率も高い。
・在庫を抱えるビジネスではないため、初期投資のみでそれ以降は運営に集中できる。
・園児が入園をすれば退園をすることはほぼないため、安定をした経営ができる。(認可に限る)
認可の場合だと最初の建物を建てる、人材採用という部分にお金はかかりますが開園をして園児が集まればそれ以降は運営は安定をしていきます。
なんといっても在庫も必要ないですし、景気が良くても悪くても左右をされるビジネスではないため安定性は抜群ですのでリスクの少ないビジネスモデルであるといえますね。
デメリット
ただし、デメリットもありますので理解をしておきましょう。
・園児が定員になるまである程度の期間を要するため経営が軌道に乗るまで数年はかかる。
・人材の確保の苦労をする現状がある。
・開園するまでに期間を要する。
こちらに認可を前提に書いていますが、よほどの好立地でないかぎりは開園をしていきなり定員いっぱいになることはあまりありません。
どちらかといえば、開園をして2~3年くらいで定員満杯になるというイメージなのでそこまでは運営が軌道に乗るまで用意をしていかなければなりませんね。
また、保育士不足により園のコンセプトや考えに合う保育士、保育経験のある保育士を採用するにはかなり苦労をすることになるでしょう。
無認可保育園は余裕がそこまでない状況であるため開園時点の園児の人数が大きく左右をされるといえます。
6.リスクについて
また、リスクもありますので以下に書いていきましょう。
・事故を起こした場合は行政処分、最悪閉園の可能性もあり。
・保育士が問題を起こすケースもある。
・突発的な事故により園児が死亡をする可能性もある。
・保育士が確保できず開園できない可能性もある。
こんな風に保育園は子供を預かる施設なのでどうしてもリスクは多いです。
その点は注意をして運営をしていかなければなりませんね。
→ 保育士の暴言や体罰は失格!怒る冷たい原因と園児を守る対処法
保育園開業の課題と問題点と失敗例【参入前の調査が大事】
こんな保育園ですが、無認可は開園をしやすいです。
自治体である市役所などに開園をした場合には届け出は必要となりますが、それさえ提出をすれば開園が可能となりますので理解をしておきましょう。
また、自分の好きなコンセプトで運営が可能となるため開業しやすいという点はメリットです。
ただし、認可の場合は以下のような課題も多いです。
認可の新規参入の壁が高い
特に気をつけたいことは認可保育園の新規参入です。
これは特に多い問題となっており、認可保育園を古くから運営をしている園長などは新規の園を拒む傾向にあります。
まだ、新規参入が社会福祉法人などならばよいのですが、株式会社やNPO法人の場合は認可保育園の仕組みや収益というものが表に出てしまう可能性もあります。
いわゆる利権というやつですね。
そのため、株式会社の運営参入に猛反発をしたり、市役所で裏に根回しをして運営をさせないようにしたりすることもあります。
私は大阪と京都で実際にそのような会合に行ったことがあるのですが、アンチ株式会社の空気はすごいですよ。
大阪は目の前で反対と言われますが、京都はウラでものすごく言われました。
保育園の用地が見つからない
特に首都圏になりますが、保育園を開園できるほどの用地を見つけることは難しく、場所がないという問題もあります。
そのため、保育園を作りたい、開業をしたいと思っても場所が見つからないという点は大きなデメリットと言えるでしょう。
また場所があったとしても購入価格や賃料が経営上圧迫されるということがあるため土地に関する問題は多いです。
地域住民の理解
次に問題は地域住民との関係性です。
保育園は住宅街などにあることから、地域住民や自治会とうまくやっていく必要があります。
そのため、継続的に運営をしていくためにも理解を求めなければなりませんが最初から「保育園は反対」「子供の声が騒音」「車がジャマになる」などの問題が多くあります。
地域が受け入れを拒否するケースもあることから苦労をする保育園経営者は多いです。
認可外保育園は収益性取れない【経営失敗が多い】
認可外保育園を開こうと考える方もいるでしょう。
しかし、認可外保育園の経営は非常に難しいといわれています。
認可外保育園は補助金がないため、子供が通っている収入のみで運営をしていかなければなりません。
そのため、子供がうまく集まらず経営が失敗をすることがあります。
最初の1年間は赤字垂れ流しでもよい覚悟がなければ難しい現実がありますので、初期の資金が必要となりますね。
→ 保育園ビジネスで儲かるための方法とは?保育園経営の利益と市場規模
保育園開業の資金と失敗例のまとめ【認可も無認可も経営が必須】
ここまで保育園の開業に関して書いてきました。
私も認可保育園ならば開園をしたいと思うのですが、大きな壁となるのは用地と人材も問題。
そして、社会福祉法人でない限りは運営はシビアに厳しいという点ですし、無認可の保育園になると経営もかなり圧迫をされるので大変です。
保育園をビジネスと選ぶというのは「ビジネス」というよりは「福祉」という考えが重要であり社会貢献の意識を経営者は持っておかなければ難しいと言えるでしょう。
私も認可保育園の開業には興味があり、ぜひやりたいとは思っていますので大きな壁をどのように乗り越えるか?考えていきたいと思います。
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