国際バカロレア教育は意味がないなんていわれています。
国際バカロレアは近年世界で注目をされている教育機関で日本にも認定校はあるのですが、数が少なく入試を受けるだけでも難しいものです。
もちろん英才教育をするための教育機関で、この資格を持つ学校へ入るだけでも難しいですし国際バカロレアを卒業して資格を取得できているだけでもすごいことです。
それだけ注目をされている教育方法なのですが、その一方で「バカロレアは意味がない」「課題や問題点も多い」といわれています。
この記事ではそんな国際バカロレア教育の基礎知識や意味がないと言われる理由、課題、問題点などがわかります。
目次
国際バカロレア教育は意味がない?認定校へ通うメリットと問題点
実は私もこのバカロレアという名前を知ったのは数年前でインターナショナルスクールの運営をしているころでした。
そのころはあまり深く考えていなかったのですが、2019年に大阪市がバカロレアの中学高校を作るというニュースをみてより知ったのです。
大阪市が動くということはそれだけ重要と言われている国際バカロレアですが、実際にどんな場所なのかを書いていきましょう。
国際バカロレアとは、
国際バカロレア機構(本部ジュネーブ)が提供する国際的な教育プログラム。
国際バカロレア(IB:International Baccalaureate)は、1968年、チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして、世界の複雑さを理解して、そのことに対処できる生徒を育成し、生徒に対し、未来へ責任ある行動をとるための態度とスキルを身に付けさせるとともに、国際的に通用する大学入学資格(国際バカロレア資格)を与え、大学進学へのルートを確保することを目的として設置。
現在、認定校に対する共通カリキュラムの作成や、世界共通の国際バカロレア試験、国際バカロレア資格の授与等を実施。(引用:文部科学省「国際バカロレアとは?」)
このように日本の教育の中心である文部科学省のホームページにも乗っているくらい注目をされているのが国際バカロレアなのです。
おもに海外にでるために必要な力や能力を持つことができ、国際的な視野を持った人材を育成するために年齢に応じた教育プログラムを提供してます。
平成29年6月1日の時点で世界140の国と地域で4,848校が国際バカロレアか認定をされていますね。
国際バカロレア(IB)の教育プログラムとは?【コースを解説】
国際バカロレアの教育プログラムですが、年齢によって明確に分けられています。
3歳~19歳までを対象としており、各年齢ごとに学ぶべきことが明確に分かれています。
1,プライマリー・イヤーズ・プログラム(PYP)【国内22校】
3歳~12歳を対象として、精神と身体の両方を発達させることを重視したプログラム。どのような言語でも提供可能。
2,ミドル・イヤーズ・プログラム(MYP)【国内14校】
11歳~16歳を対象として、青少年に、これまでの学習と社会のつながりを学ばせるプログラム。どのような言語でも提供可能。1994年設置。
3,ディプロマ・プログラム(DP)【国内33校】
16歳~19歳を対象としたプログラムであり、所定のカリキュラムを2年間履修し、最終試験を経て所定の成績を収めると、国際的に認められる大学入学資格(国際バカロレア資格)が取得可能。原則として、英語、フランス語又はスペイン語で実施。 1969年設置。
4、キャリア関連プログラム(CP)【国内0校】
16~19歳を対象として生涯のキャリア形成に役立つスキルの習得を重視した、キャリア教育・職業教育に関連したプログラム。
一部科目は英語、フランス語又はスペイン語で実施。2012年設置。
国際バカロレア教育は認定校は日本にあるの?【メリットは資格?】
もちろんこの国際バカロレアは日本にも存在をしていますがわずか38校と非常に少ない数になっています。
国際バカロレア認定校で学ぶ生徒たちは上記で紹介をしたような独自のカリキュラムに沿った授業を受けて国際バカロレアの試験を合格すれば認定証書(ディプロマ)が与えられます。
実は国際バカロレアから与えられるこの認定証書がとても意味をもっているのです。
この資格は世界で非常にメリットのあるものとなっており、世界75か国約2500以上の大学の入試において自分には能力があるといことを証明する資格として広く活用されているのです。
そのため、日本国内というよりは国際的に意味を成している資格で国際バカロレアの認定証書の試験で合格をしてハイスコアを獲得するとTOEFLテストやSATなどのスコアテスト同様に難関大学合格のい大変有利だといわれています。
そのため、日本の学生だけではなく海外に学生もとても大変ポピュラーな資格となっておりこの資格は世界中の学生がほしいものだといえます。
国際バカロレアの認定校とは?資格はどうなるの?
国際バカロレアの教育をするためには国際バカロレアに関してとても厳しい審査を通過しなければなりません。
国際バカロレア機構という組織があり徹底をして審査をされることとなります。
この審査は驚くほど厳しいと言われており、私立の有名な小学校も国際バカロレアを獲得しようとうごいたけれども結果的には取得できなかったというケースもあります。
多くの有名小学校、中学校も挑んではいるのですがなかなか許可がおりないのも正直なところ。
現在日本には38校しかなく「1条校」と呼ばれる学校と、インターナショナルスクールの2つのパターンがあります。
1条校とはいわゆる一般的な幼稚園・小学校・中学校・高等学校・中等教育学校・特別支援学校・大学・高等専門学校が該当します。
国際バカロレアのプログラムに関しては1条校もインターナショナルスクールも違いはありませんが、日本の高校卒業資格と同時に国際バカロレアを取得できるのは、基本的には1条校のみになっています。
日本でも38校あるうちの14校しか一条校はないため海外の大学をせっかく目指すのならば一条校を目指すほうが良いでしょう。
日本の認定校 →国際バカロレア認定校(文部科学省公式ページへ)
ディプロマ取得の方法
認定校へ進学をしても気を付けなければならないことは一条校へ進学をすることです。
認定証書であるディプロマを手にいれるためには1条校へ行かなければならないのですが、1〜5のグループの科目から1つずつ選択し、さらに1〜6のどれか1つの科目を選択して、合計6つの科目を2年間履修する必要があります。
また、大学やその後の職業において必要となる専門分野の知識やスキルを、大学入学前の段階で準備しておく観点から、6科目のうち、3~4科目を上級レベル(各240時間)、その他を標準レベル(各150時間)として学習します。
国際バカロレアの科目 1.言語と文学 言語A:文学、言語A:言語と文化、文学と演劇 2.言語習得 言語B、初級語学 3.個人と社会 4.理科 5.数学 6.芸術 |
これの他にもディプロマを取得するためには以下の3つの資格も取得しなければなりません。
・Extended Essay(EE:課題論文)
研究課題を決め、自分で調査・研究を行って学術論文にまとめる
・Theory of Knowledge(TOK:知識の理論)
学際的な観点から個々の学問分野の知識体系を吟味し、論理的思考力を育成する
・Creativity/Action/Service(CAS:創造性・活動・奉仕)
課外活動としていろいろな人と共同作業することにより、社会での経験を積む
この3つの課題をクリアしてからさらに最終試験があり、すべて英語(またはフランス語、スペイン語)で行われます。
合格ラインは45点満点で24点以上となっており、合格率は約70%。
ちなみに有名大学へ行くためにはオックスフォードで38~41点、ケンブリッジで40~41点は必要だといわれていますので海外の難関大学をめざすならば高得点は必須です。
大学進学以外に魅力【就職に有利?】
もちろん大学へ進学をすることができるという点も魅力なのですが、それ以外にも国際バカロレアが実施をしている教育プログラムも魅力です。
最大の魅力は「論理的思考」「表現力」「コミュニケーション力」が身に着けられること。
他にも欧米の大学で学ぶ際の基礎知識や将来グローバル社会で活躍するためのスキルなどを高校生のころから磨いていけるメリットがあります。
国際バカロレア(IB)の使命はいろいろとあるのですが、根本は「多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成」となっていますので国際バカロレアの認定校で学ぶことができれば将来的にはエリートの道が待っているといえます。
その国際バカロレアの使命を具体化した人物像というものがあります。
それは以下の通り。
・探究する人 ・知識のある人 ・考える人 ・コミュニケーションができる人 ・信念をもつ人 ・心を開く人 ・思いやりのある人 ・挑戦する人 ・バランスのとれた人 ・振り返りができる人 |
これは国際バカロレアが発行をしている学習者像に書かれているものでこの10の項目を育てることを目的に国際バカロレアの先生たちは日々努力をしているといわれています。
(参考:シンガポール教育情報SPRING「国際バカロレアの学習者像」)
実は私が幼児教室で子供に勉強をおしえていた時に国際バカロレアのインターナショナルスクールへ通っている子がいたのですが、その子は英語はもちろん堪能なのですが日本語の勉強も出来ていました。
小学生でも能力が高いので国際バカロレアの教育プログラムがいかによいものかと思いますね。
特に今の子供達は国際力やグローバル力というものが求められていますので、英語だけないグローバルな力を身に着けられる国際バカロレアの考えは指示をされているといえます。
国際バカロレア教育は意味がない?問題点や課題も多い理由4選
このように国際的にも注目をされており、グローバルな人材が育つと言われている国際バカロレアですが、メリットばかりではなくもちろん問題点もあります。
そのため、いかに勉強ができる子供でも親が国際バカロレアに行かせたいと思っても難しい側面もあります。
1.勉強量が膨大
まず驚くのが国際バカロレアの勉強量です。
先ほど紹介をしたカリキュラムをこなしていかなければならないのはもちろんなのですが、暗記や課題に追われることになるため自分で管理をして計画的に進めていかなければなりません。
それに合わせてSATやTOEFLなども勉強をしていかなければならないことから並行をして勉強をしていく力と計画性が求められます。
課題といっても多くの情報をあつめてそれをプレゼンテーションしたり、レポートを買いたりと日本とは違った時間の使い方が求められます。
2.精神的な負担も大きい
国際バカロレアの認定証書を取得すればまちがいなくメリットは多いのですが、膨大な量の課題をこなしていかなければならないことと取得までの道のりがながいことから精神的は負担は大きいです。
日本の受験勉強のように競うということはあまりなく、クラスの雰囲気も明るく楽しめるようになっているのですが課題をこなして いく、膨大な勉強をこなしていくための自分との戦いに負けるわけにはいきません。
最低でも2年間は遊んでいる暇もないくらい課題におわれますので覚悟をしておきましょう。
親が行かせたいと思っていても子どもが学ぶ姿勢をもって日々取り組まなければ国際バカロレアの認定証書は手に入りませんので親よりも本人が行きたいという気持ちを持たなけれなりませんね。
3.日本語教育も弱さ
国際バカロレアの授業は基本的に英語で行われます。
そのため世界で通用をする英語能力を獲得できると言われているのですが大きな問題点としては日本語の教育は弱いということです。
国際バカロレアの認定校として日本で小学校からずっと通えるところは数えるほどしかなく、国際バカロレアの小学校へ通ったとしても最終的には日本の学校へ行く子供が多いです。
国際バカロレア教育の認定校へ行くかわりに小学校の卒業資格がもらえないことになってしまうため、5年生くらいで日本の小学校へ行く子供もいます。
結局、日本で国際バカロレアの教育を受けても最終的には日本の学校へいきますし、国語など日本語の教育の力は弱いです。
4.認定校が少なすぎる
国際バカロレアとして注目をされていますが、認定校が少なすぎて日本での認知度や広がりに関してはまだまだです。
日本ではわずか18の都道府県にしか認定校はなく首都圏に集中をしています。
そのため遠方の子供は通えませんし知り合いの子供も国際バカロレアの学校へ通うために片道1時間車にのって通っています。
費用面でも時間の面でも問題点が多く、わざわざ引っ越すまでの価値を考えるとリスクが高いため国際バカロレアに関しての伸びは非常に少ないです。
国際バカロレアは意味がない?認定校のメリットのまとめ
今、日本でも話題の国際バカロレアの教育について書いてきました。
たしかに日本の学校では身に着かない力が身に着くと言われている教育ですし、日本では2020年までに200校を目指しているこれからの教育プログラムであることは間違いありません。
私も娘を通わせたいと思いますし最先端の勉強だとは思いますが、課題をこなす力や自分で計画をしてこなしていく力がないものにとてはなかなか辛いのは正直なところなので子供に向き不向きがあるなという印象です。
国際バカロレアの教育は魅力的なので子供自身が学びたいという気持ちを持っているなら入学を検討してみても良いです。
しかし、課題や問題点も多いのが国際バカロレアの大きな問題といえますのでよく考えて入学するかを考えてください。
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- 2019年 11月 21日
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