
主任は保育園で重要なポジション
保育園も会社のように組織になっていることから、役職や立場もいろいろとあります。
その中でも非常に重要な仕事が「主任保育士」です。
主任は保育園の中でも特に重要なポジションとなっており、保育の現場からマネジメント、保護者対応に至るまですべての要素を兼ね備えている頼れるリーダー的な存在といえますので紹介をしていきましょう。
主任保育士とは?
保育主任とは、園長や副園長も仕事を手伝ったり、助けたりしながら保育者のリーダーとして保育者全体をまとめたり、保育者の代表として意見を述べたりしていくのが「主任保育者」の役割となっています。
幼稚園の場合は「教頭、主観教諭、指導教諭」という名称で呼ばれることもありますね。
学年主任(例えば、3歳児のクラス主任)や幼児主任、乳児主任など学年や年齢に区分された中でのリーダーとして主任を置くケースもありますが、基本的に保育園内に1人いるのが保育主任となります。
勤続年数は大事
保育主任は勤続年数が長い人がなる傾向にあります。
主任の中には保育経験20年以上という人もいれば、若い人と積極的に採用をする場合には保育経験5年程度で抜擢をされることもありますね。
保育主任になると、自分がクラス担任になることはあまりなくフリーの立場で他のクラスの補助に入ったり、園長の仕事の補助や事務を行ったりする場合もありますが、中には自分のクラスを持ちながらその他の業務をこなしている場合もあります。
現場以外にも、実習に来た学生も指導であったり、実習記録や指導案についても指導をする場面も多くなります。
また、経験の少ない担任では難しい保護者対応やクレーム、モンスターペアレントなどの対応も主任保育士の大事な仕事の1つになっているといえますね。
園長や副園長が不在の場合には、代わりに保育園の代表となって責任を持つこともありますので保育園ではオールラウンドは力が求められる大事なポジションであるといえます。
もちろん、主任になるための決まりというものは基本的にありません、
主任保育士の大事な仕事は若手の育成
実は保育主任の大事な仕事は若手の育成になります。
主任は基本的に保育経験が豊富なため、新人や若手の保育士の対しての指導を行う場合が多いです。
例え新人保育士であったとしても、現場に入れば1人の先生ですし「新人なのでできません」というような言い訳は一切通用しません。
そのため、新人や若手の保育者のサポートをしたり、ともに保育を振り返ったりしながら若手の保育士が一人前になれるようにバックアップをしていくことが大事です。
保育者の代表として労働環境の改善や、限られた保育者に業務が偏らないようにすること、職場全体の調整役になることもあります。
主任保育士の役割と仕事
私も実際に保育主任として仕事をしてきましたので、ざっと一覧で書いてみましょう。
・園行事の企画・運営
・保育のカリキュラム、指導計画などの作成補助、確認
・各種報告書のまとめなどの中間管理業務
・保育士の勤務シフトの作成、管理
・保育士への専門知識や技術の指導
・保育士など保育園スタッフからの相談対応
・園長の補佐
・各クラスへのサポート業務
・園児全体と家庭状況の把握
・課題のある子どもや家庭への対応
・保護者の相談窓口、家庭の把握
・職場体験や実習生、ボランティアの受け入れ対応
・地域子育て支援事業への対応
・教材やおもちゃ、絵本などのセレクション
・遊具点検や環境整備
こんな風に多岐にわたりますが、毎月行う仕事もあれば、たまに突発的な仕事も多くなります。
仕事でもシフト管理は大変
私が主任をしていた時に大変だと感じたのは「シフト管理」ですね。
毎月同じように組まなければなりませんし、職員全体で早番、遅番を入れ込まなければなりませんので平等性を頭にいれると結構大変でした。
中でも私も主任をしていて大変だと感じたのはマネジメントです。
主任は一般企業で例えると管理職的な部分が多い仕事となります。
そのため、部下である保育士が働けるように指示を出さなければなりませんし、部下のミスはすべて自分の責任。
そして、上司からの指示は聞かなければならない。
いわゆる中管理職的なしんどい立場になるといえます。
マネジメントができる主任と、できない主任では保育園内の回り方が全くことなりますのでマネジメントについて少し書いていきましょう。
マネジメントとは?
マネジメントは一般に「管理」と訳されます。
経営管理論から生み出された様々なマネジメント理論には、「管理」という意味合いの他にも、
評価・分析・選択・改善・回避・統合・計画・調整・指揮・統制・組織力など様々な要素を含んでおり、これらを総合した概念をマネジメントだと考えた方が理解しやすいと言われていますね。
マネジメントの根本は「組織(会社)が目標を達成するために組織の維持や活性化を図ること」です。
保育に例えると「子どもが健やかに成長できるように各クラスの目標設定を行い、組織として成功をさせること」が主任ミッションだといえますね。
マネジメントの中には目標達成をするために含まれる人材育成や離職の防止などもすべてマネジメントになります。
関連記事→マネジメントとは?管理職や上司が部下に成果を残せるための能力
マネジメントを間違えると大変なことになる
私も主任になったころにはき違えていた主任の役割が、みんなに指示を出して仕事をすればよいと思っていたんです。
そのため、いい方もキツくなりますし、自分の思い通りにならないと職員を怒ったりもしていました。
私的には何とかこの保育園がうまく行ってほしいという気持ちだったのですが、職員からは猛反発を受けた結果その日に8人が退職をするということになってしまいました。
そこで気づいたことは、「命令はダメ」「自分も一緒にやる」「みんなの意見を聞く」この3つをやることに意識すると、チームとして円滑に周り出したんですよね。
結果としてそれ以降は良い成果も残すことに成功したので、良かったですがマネジメントは命令をしたり、自分のいうことを聞かすのではなく、円滑にチームとして回すことが大事だったといえます。
自分が犠牲になることでついてくる
そのためには自分が一番犠牲になることが重要で、誰よりも遅く仕事をするか?朝早くくるか?泥臭いことと一番やると効果も高かったので、今でも管理職で悩んでいる人には「自分が一番嫌なことをするように」とアドバイスをしています。
その分保育主任として手当をもらっているので頑張ってみましょう。
主任手当は保育園や幼稚園によって異なりますが、私の場合は2万円でした。
中には5万円くらいもらえる保育園もあるようなので、給料アップを狙うなら保育主任になることがある意味近道なのかもしれないです。
主任のお給料については下に書いておりますので参考にしてください。
主任保育士になるには?
1,今仕事をしている保育園で主任になる。
2,新設の保育園で主任になる。
1,の場合は今の保育園で「主任になりたい」ことを伝えて具体的にどうやればなれるのかを確認する必要があります。
場合によっては血縁関係がすでに決まっている、すでに後継者が決まっていることによりどう頑張っても主任になれない。
また、今の主任が当面は続けるという場合も主任になれないのでその場合は2,の方法になります。
2,の場合は採用試験で「主任になりたい」ことを伝えればなれる可能性がありますので主任を目指すならおすすめです。
ただし、保育主任は職員から人望も必要なので、「保育経験がある程度あること」が絶対条件になりますので最低でも保育園で5年以上は経験をしてから望みましょう。
主任には現場にはない楽しさや難しさがありますが、現場よりも個人的にはすごく楽しかったのでおすすめです。
主任保育士の悩み
主任保育士のなりたいと思っている人もいれば、主任になりたくないのになるように指示をされたという方もいるでしょう。
そんな主任保育士の悩みを書いていきましょう。
現場と上司からの板挟み
この中間で頑張らなければならないのが、主任保育士としての仕事になります。
間に挟まれることによりしんどい思いをしなければならないですね。
例えば、園長先生からは保育に関しての要求をされることになり、その保育が例えば現場に即していない場合でも現場に卸さなければならなくなります。
しかし現場からは「こんなことできない」「できるはずがない」と言われ猛反発に合うこともしばしば。
保育園の運営側の考えと現場の考えの2つに挟まれて大変な仕事となっており、どちらに味方もできないことから悩みに発展するケースの多いですね。
常に中立な立場でいなければならない
先ほどの上と下の考えに挟まれることになるのですが、結局主任という立場はありますので中立な立場でいなければならないという考えが大事です。
本心は現場の意見を大事にしてあげたいと思っていても、上からの指示には従わなければならないため結局自分は常に間に挟まれておりしんどいです。
しかし、職員全員には平等に接しなければならないですし合わない人ともこまめにコミュニケーションを取らなければならないため精神的にしんどい思いをする場合もあります。
嫌われることも仕事
時には現場の保育士を叱責しなければなりませんし、時には現場の意見をまとめて運営側に伝えなければならない場合もあります。
そのため「主任のことが苦手」「嫌い」と感じる職員もいますが、何よりも「保育園が良くなること」が一番大事な要素となりますので嫌われることもいとわないことが重要です。
主任という仕事は中間管理職という仕事で常に間に挟まれることも仕事となっており、時には正しい意見でも注意をしなければならない時もあります。
それが主任という仕事の役割だと思いますので、主任になる人は失敗をしながらもみんなをうまくコントロールできるようにすすめていくことが重要といえますね。
職員と適度な距離を取ること
本来ならば他の保育士と一緒に出かけたり、保育園の愚痴を言ったりしたいのですがなかなかうまくいかないこともあります。
保育園の主任というのは他の会社などでは中間管理職の立場となります。
つまり、上司も部下もどちらの味方になることもできないというのが正直なところです。
そのため、同じ世代の保育士や年齢の上の保育士とも適度な距離を取らなければなりません。
また、上司も愚痴は文句を言いたくても主任がいうとあとで問題になる場合もありますので現場の保育士には愚痴を言ったりしないようにしましょう。
距離を取らないと大変なことに
もし主任が他の保育士と一緒に保育をしているとなった場合には気をつけなければなりません。
その理由としては、「園長が悪者」になってしまう場合があるからです。
保育園を運営していく中で主任というのはとても大事な立場となっており、園長先生の気持ちを汲んで職員に伝えなければなりませんし、現場の保育士からの意見を園長に伝えなければなりません。
いわば橋渡し的な感じとなることから現場の保育士の先生たちと同じ立場になってはいけません。
保育園の運営がうまくいかなくなりますので、主任の先生は現場とは距離を取るようにしておきましょうね。
主任保育士のお給料
主任保育士のお給料になりますが一体どれくらいのお給料なのでしょうか?
保育園の園長先生や主任といえばその保育園の顔になるためたくさんのお給料をもらっていそうなイメージなのですが現実はそんな子はありません。
園長のお給料はこちら
関連記事→保育園の園長の給料と年収はいくら?仕事内容と園長になるには
驚くほどもらっていませんが、主任になると相場は保育士のお給料に手当が1~3万円程度つくらいになっています。
もちろん勤務をする保育園にもよりますがそこまで大きな金額が付くことはあまりなく数万円程度の手当が付くだけになりますね。
仕事量は多く、役割としてもとても大事なポジションとなっていますし保育園でリーダーとして活躍をしていける要素もあるのですがお給料はそこまで見合っていないというのが現状です。
無認可だと手当も少ない現実
認可保育園で相場が数万円となっており、無認可だと5000円~1万円くらいといわれていますので主任がお金を稼ごうと思っていてもなかなかシビアに難しいという現状があります。
お給料を稼ぐというよりは、やりがいで仕事をするという状況になっているのが主任のお給料の現状になるのかもしれませんね。
主任になると大変なことも多いですが、保育の現場にいるという状況ではなく違う楽しさが見いだせる仕事だと思います。
もちろん一生現場で良いという人は別ですが、人の上に立ってみたいという方はぜひ目指してほしいポジションですね。
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