潜在保育士が保育園に復帰しない理由とは?給与対策よりも働き方改革

保育士不足で叫ばれていますが、実は保育士の人数は世の中的には足りています。

では、なぜ保育士が足りないのかというと保育士資格を持っていても仕事をしていない保育士がたくさんいるということ。

つまり、保育園などの子供が集まる現場ではなくそれ以外の仕事をしているということです。

そもそも保育士になるために保育士資格を取得したのに保育士をしていない人がいる、もしくは保育士をしていたけれども保育士をやめてしまった人がいるということです。

まぁ実は私も今は管理職で子供を密にかかわる保育士ではないのでそのうちの1人なのかもしれませんが・・・。

そんな保育士資格を持っているけれども保育士として働いていない人を「潜在保育士」と呼んでいます。

潜在保育士とは?そして、保育の現場をやめた、戻らない理由について書いていきましょう。



潜在保育士とは?人数と割合はどれくらい?

潜在保育士とは保育資格を持っているにも関わらず保育士をしていない人のことを指しています。

つまり、保育士資格だけは持っているけれども他の何らかの仕事についている、もしくは子育てや専業主婦をしているということになりますね。

保育士が足りない世の中で、地域限定保育士や子育て支援員など簡易な資格を作っているのですがやはり保育士とは違う。

そんな保育士不足を解消するために大事なことは「潜在保育士の職場復帰」なのです。

潜在保育士の人数は?

潜在保育士をして勤務をしていない保育士はどれくらいの人数いるのでしょうか?

これを調べてみると、保育士登録数は119万人いるのにたいして保育園へ勤務をしている人は約43万人となっています。

つまり、約76万人は保育士資格を持っているにも関わらず保育などの仕事についていないということになります。

これは厚生労働省の「保育士に関する関係資料」という調査(2017年12月4日付)を参考に調べたデータなのでそれから2年経過をしているということはおそらく潜在保育士は80万人をこえているのではないか?と予想されます。

保育士が足りないため、首都圏では年々有効求人倍率も上昇しており東京では保育士一人当たり5.44、続いて広島で3.27と一人の保育士に対して複数の園が採用をしたいと思っているデータもあるのです。

潜在保育士は多くの人数がおり、どちらかといえば保育士として仕事をしている以上に保育士の仕事をしていない人が多いということで早急に対処をすべきだといわれています。

(参考:厚生労働省:「保育士に関する関係資料」)

潜在保育士の種類

潜在保育士ですが、実は2つのパターンがあるのです。

1つ目は資格を取得後に一度も保育園や幼稚園に勤務をすることなく他の仕事に就いたり、家庭に入っている人。

2つ目の資格は資格取得後に保育園や幼稚園で一度仕事をして今は勤務をしていない人。です。

これも厚生労働省のデータを参考にしてみると保育士資格を取得して学校を卒業後に全く勤務をしたことのない1のパターンのは16.8%と少数。

一度は勤務をしたことがある人は83.2%となっています。

つまり、最初から潜在保育士というわけではなく実は私と同じように元保育士という人が多いということが分かります。

また、年齢的には40代が32%、50代が28%とミドルの世代が圧倒的に多く続いて30代が19%となっています。

結婚をして子供を産んだ子育て世代が保育の現場からどんどん離れているといえます。

中でも未就学の子供を抱えている保育士が多く家庭にいる、もしくは子供は保育園へ預けているけれども他の仕事についているというのが最も多い理由のようです。

(参考:厚生労働省「潜在保育士ガイドブック」)

保育士の退職理由

潜在保育士になる前には実際に保育士や幼稚園教諭として仕事をしていた人がほとんどなのです。

つまり、元保育士はたくさんいるのですが退職をきっかけに現場から離れているというのが多い理由です。

保育士の退職理由にはいろいろとあるのですがそもそも保育士という仕事は離職率が高いです。

理由のトップ3は「給与」「人間関係」「労働条件」という3つです。

この3つについては保育士の退職理由としてずっと言われているのですがそれでも解消をされる気配は一向にないので、今度も潜在保育士はどんどん増えていくことになるでしょう。

→ 退職の失敗しない伝え方と保育士が辞める理由ランキングトップ3

結婚と出産による退職

結婚と出産による退職はとても多い理由です。

結婚を機に退職をして家庭へ入る、また妊娠をしたことをきっかけに家庭に入るという人は多いです。

しかし、そこから保育園へ戻ってこようとは思わない人が多く潜在保育士を産み出しています。

子育てと仕事の両立に不安

また結婚や出産をしたとしても職場復帰をすることは可能ですがしないですよね。

そこには大きな理由があります。

それは「子育てしながら仕事をすることに不安」を感じているということです。

実は子育てをしながらも仕事に復帰をしている人は多いのですが、その場合に大事なことは「時間に融通が利く」「急な休みにも対処をしてもらえる」というものです。

しかし、保育園ではそれはかなわないため、自然に休みやすい職場へ復帰をし潜在保育士となっているのです。

保育士の退職理由は人間関係【現場目線】

上記の保育士の退職理由には東京都福祉保健局が行った東京都保育士実態調査という資料を参考にしています。

平成26年3月のデータなのでそこまで差はないと思いますが、この結婚と出産は建前で本来の理由は違うということです。

これは現場で仕事をしていたからわかることなのですが多くの理由は人間関係です。

先日私がTwitterでも書きました。


つまり、ほとんどが人間関係でやめているのです。

結婚や出産は「保育園に人間関係に疲れた」「もう辞めたい」「この職場環境イヤだ」という理由が裏にあることが見えていません。

実際に働いている若い女性の保育士もたくさんいましたが、退職理由を正直に言う人はいません。

そのほとんどが「結婚」という理由を盾にして退職、「出産」という理由を盾にして退職なのです。

保育園を退職したいがために急いで結婚相手を探している同僚もいたことを今でも覚えています。

そうでもしないと辞めさせてもらえないという保育園もありますが、結局はその理由をもとに人間関係や職場環境から脱したいと思っています。

じゃあそんな理由で辞めている人は保育園へ職場復帰するのか?と言われると・・・?おそらく戻ることはないでしょう。

潜在保育士が保育園へ復帰しない理由

潜在保育士はたった10%でも保育園へ復帰をしてくれれば、実は新しい保育園を作れるのではないか?と思えるくらい多い人数だと感じます。

もちろん保育業界の慢性的な人材不足も一気に解消をすることができますのでメリットも高いはずなのですが、そんなに簡単には行きません。

そこで、ここからは潜在保育士となっている人がなぜ職場復帰をしないのか?という点について書いていきます。

復帰しない理由

そんな潜在保育士となっている人の多くは「子供は好き」です。

そもそも保育士になっているので子供が好きなことは間違いないのですが、保育園で働いていない潜在保育士が復帰をしない理由が「求職しているが条件に合う仕事がない」「就職は仕事復帰に不安がある」というものです。

つまり、保育園へ復帰をしたいが条件が合わないということです。

その求めている条件について調べてみましょう。

急な休みへの対処

まず多くの潜在保育士は子育てをしている現状があります。

そのため、子供はまだ小さく急な体調不良や発熱などが起こりえる可能性もあるのです。

人数が多い職場ならばその日に休めるということが可能なのですが、保育園の現場では不可となっているのでそこの解消が必要です。

おそらく「休める環境を整える」ことで潜在保育士は復帰がしやすくなるでしょう。

また、少し子供が大きくなっても参観や懇談への参加、行事への参加なども融通を利いてもらえないという点も潜在保育士が職場復帰しない理由です。

勤務形態の融通を利いてもらえるか

また、子育てをしていると保育園独特のシフトというものは無理です。

遅番や早番をしようと思うと旦那さんにも負担をかけることになりますし、何よりも子供にも負担をかけることになります。

そのため、勤務時間の固定や家庭の状況に応じた勤務形態の調整などが叶うのか?という点は職場復帰しない理由の1つとなっています。

そこの解消は大きなポイントといえますね。

人間関係と労働条件

次に人間関係と労働条件です。

上記のように時間に融通を利きます、勤務形態に融通を聞きますといっても職場で一緒に働いている人からするとあまり良い気持ちはしません。

もしかすると「あの人いつも休んでばっかり」「仕事はちゃんとしてほしい」など愚痴が出てくる可能性もあるのでそこの人間関係や急な休みでも給与の保証をある程度するなどの方法は必要でしょう。

→ 保育士転職サイトランキング!口コミ評判と失敗しない求人の見つけ方

潜在保育士で保育士不足を解消する方法は働き方改革

ここまで潜在保育士について書いてきましたが、保育園へ復帰をしたいと思っても子供を抱えているとどうしても保育園をいう現場では働きにくいという意見が大多数を占めています。

しかし、いつまでもその状況のままでは潜在保育士は復帰をすることなく資格だけを持っている人が増え保育園の現場はしんどい状態となってしまいます。

潜在保育士解消の取り組み

もちろん認可保育園などでも潜在保育士を解消するための取り組みは行われています。

配偶者がいる人、子供がいるの人は、お給料よりも、勤務日数や勤務時間、通勤時間等の勤務条件を優先する傾向があり元保育士の人はさらにその傾向が強いです。

そのため、働きやすい労働条件の提示をして働くことの不安を解消し、子育てを家庭と仕事の両立ができるような環境を整えている保育園も出てきていますね。

働き方改革の徹底で変わる

ここからは私の意見なのですが、働き方改革を保育園も徹底すべきです。

働き方改革に関して保育業界、教育業界はとても遅れています。

例えば、

・定時に全員帰れているか?(タイムカードの打刻)

・残業代はちゃんと支払われているか?(1日8時間以上の仕事はすべて残業)※条件あり

・週40時間勤務は徹底されているか?(週6日目はすべて残業代)

・有休はとれているか?(年間5日は法的に定められている)

・先生たちの言葉使いは仕事になっているか?(パワハラなどが常駐化していないか?)

・休みの日に保育園から連絡は来ていないか?

・持ち帰りの仕事はしていないか?

これって実は当たり前のことなのですが保育園では全くと言ってよいほど導入をされていませんよね?

今は良くても来年以降は中小企業も徹底をしなければなりませんので、保育業界は大変なことになるかもしれません。

働きやすい環境を作るメリット

「こんなの無理だよ」と思った方もいると思いますが、「無理」だと思っていたらいつまでも無理です。

そうではなく「どうすれば実現できるのか?」を考えるべきですね。

上記実現すればものすごく働きやすい職場になりますので「離職率減る」「産休育休希望者増える」「出産後現場復帰してくれる」「採用活動費減る」「人材育成の手間もなくなる」とメリットだらけ。

デメリットは導入をしていき、先生たちに浸透をさせることが大変なくらいですが、これが当たり前のような環境になっている保育園は離職者も少なく潜在保育士も生みだしておらず、人材不足に困っていません。

逆に潜在保育士の人たちも集まってくるかもしれませんよ。

潜在保育士が保育園へ復帰しない理由のまとめ

潜在保育士について書いてきました。

正直保育士の資格をもっているのに保育の仕事や子供とかかわる仕事をしていないのはもったいないと感じますね。

しかし、職場へ復帰をしない理由のは「子育てや家庭との両立」ということが一番多いので、各保育園がそれについて真剣に考えるだけで環境はかわるでしょう。

今の保育園を運営している人も考えが古いのかもしれませんが、今後は新しい考えの導入が必須となりますし若い世代のそのような知識も持ってきます。

そのため、保育園全体の働き方の改革が潜在保育士の解消につながりますね。

何よりも保育士の働きやすい環境を作り上げることが必須といえるでしょう。

須藤 崇代表

投稿者プロフィール

保育士と介護福祉士の資格を持っています。

【経歴】
保育介護の専門学校卒業 → 公立保育園の臨時職員 → 私立の民間保育園で現場の保育士 → 大手塾のインターナショナルスクール開園&マネージャー → 別会社のインターナショナルスクール園長&幼児教室教室長。

現場の保育士を8年経験をし、その後は認可外保育園であるインターナショナルスクールの開園や運営、管理職などをしてきました。

※幼児教室の教室長もしてきて小学校受験の指導&合格実績あり

保育コンサル、保育組織改善、子育て相談など子供関係の仕事やっています。

他にもアフィリエイトで実績があり、ブログ運営などにも精通しておりWordpressでホームページも作れますし子育て関係のライターもできます。

保育×子育て×WEBという3つの知識持っています。

https://banbi-no.com

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現在37歳で関西の奈良県に住んでおり、小学生の娘も2人いるお父さんで最近はキャンプにハマっています。

元男性保育士で認可保育園で働いた経験、認可外保育園の立ち上げ、集客、営業、管理職などもしてきた異色の保育士。

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