
保育士の離職率が高い理由をしっていますか?
実は保育士は辞めてしまう先生が多い仕事となっており、その結果保育士不足に陥ったり、どこの保育園も慢性的に保育士が足りない事態が起こっています。
そこには人が辞めてしまう理由があり、辞めやすい仕組みもあるためです。
この記事では保育士の離職率や人材確保をするための離職させない方法がわかります。
保育士が離職率が高いのは給料?3つの退職理由
保育士が辞めてしまう理由については3つあります。
・給料 ・労働環境 ・人間関係 |
保育士の多くは子供が好きで、とても責任感をもって仕事をしています。
新しいクラスの子ども達。
可愛い!色々やってあげたいと思う。私の辞めたい理由って職員間の人間関係。
特に上司。子どもは好きだけど、人間関係に疲れて辞めた保育士ってどれ位いるんだろう?#保育士辞めたい#仕事辞めたい
— ミーナ (@IGC9Frkq58DCM5Y) April 8, 2018
離職率の高い職業と言われる保育士。
きっと殆どの人が最初は私のように夢に溢れていたと思う。しかし働くうちに給料の安さ、休みの取れなさ、持ち帰りの仕事、面倒な人間関係、クレームを言う親、手に負えない障害児などなど本当に色々な理由で離れてしまう人が多いんだと思う。— ハナコ (@nekol1p) November 4, 2020
しかし、その反面保育士として仕事をしていく上ででは過酷で続けにくい現実もあるのです。
1.給料が安いのに責任が重い
まず、一番に挙げられるのはお給料です。
保育士の給料は平均月に15~20万円くらいが相場となっています。
もちろん地域にもよりますが、年収が400万円に満たない人たちがたくさんいるんです。
そのような給与形態にも関わらず仕事は重労働で疲れてしまうという現実がありますし、子供の命を預かっている、未来を預かっているのという責任が重たい仕事となってます。
お給料は安い、けれども責任感が重たいという現実があり、保育士から離職してしまう人も多いです。
→ 保育士の平均年収は400万は本当?公立と私立の月収とボーナスの比較
2.労働環境が悪く残業が終わらない
保育士の労働環境が過酷です。
仕事は肉体労働で立ったり、座ったりが多い仕事で腰痛や膝を痛めて離職してしまう保育士もたくさんいます。
また、今でも労務管理がきちんとされていないためサービス残業が当たり前、持ち帰りも多い、子供に対してギリギリの人数で子供を見なければならないなど労働環境は過酷です。
そのような労働環境であるため、身体が疲弊したり、他の時間通りに帰れる仕事に就きたいなど転職を理由に離職してしまう人が多いです。
3.人間関係がしんどい
保育士の世界は人間関係がしんどい世界です。
保護者、子供、同僚など保育士としてかかわらなければならない人たちがたくさんいますし、その人たちとうまくやっていなければなりません。
しかし、時にはいじめ、嫌がらせ、パワハラなど保育園独特に人間関係があり、うつ病になってしまう先生もいます。
人間関係が良い保育園へ勤務できていれば良いですが、中には人間関係がきちんとできていない園もあるため人間関係に悩み離職をする先生もいます。
離職後は保育園へ戻らない現実
保育士の離職をした多くは保育園には戻ってきません。
その理由は「保育士は過酷」「保育士がイヤになった」など子供のことは好きでも上記の3つの理由から保育園へ戻ってこない人たちがたくさんいるのです。
保育士は離職をすると戻ってこない潜在保育士となってしまうため、保育士の確保に苦労をする現実があるのです。
→ 保育士の大量退職の理由とは?無責任な一斉退職はなぜ起こるのか?
保育士の離職率が高い・勤続年数も低い【厚生労働省調査】
保育士の離職率が高い理由はいろいろとあります。
そもそも保育士資格を持っているにも関わらず、保育士をして仕事をしていない人が約70万人ちかくいるというデータもあり、保育士の資格を持ちながらも実際には保育士として働いていない現実があるのです。
保育士の離職率について厚生労働省の「保育士等における現状」を参考にしてみましょう。
保育士の離職率の推移をチェック【厚生労働省の調査】
これは平成27年の調査になるのですが保育士の離職率は平均10.3%。
つまり、保育園の中で10人いれば1人は辞めている計算となります。
全産業の離職率を見てみると、平均は15.3%となっていますが一部の産業が引き上げをしているために高い数値となっており、全体を見てみると10%を超えている産業は16の内わずか3産業だけです。
そのうちの1つが福祉に分類をされている保育士なのです。
保育士の離職の問題は高いだけではなく、ほかにも若い世代が退職をしてしまうことです。
2年未満が14.9%、2~4年未満は13.6%とかなり高い数値となっており注目すべきは2年未満の私立保育園の保育士に関しては17.9%と圧倒的に高くなっており7年以下で約半分の保育士が退職をしてしまう現実があるのです。
(参考:厚生労働省「保育士等に関する関係資料」)
(参考:厚生労働省「平成30年雇用動向調査結果の概況」)
勤続年数の短い保育士の現実
上記のように保育士の離職率が高いのも問題なのですが、それよりも勤続年数が短い点は大きな問題です。
5年勤めてくれれば保育園としても貴重な戦力になりえる人材なのですが、そのタイミングで退職をしてしまいます。
7年以下に離職が多い理由は以下に3つを紹介していますが、ほかにも結婚適齢期という点も含まれているのです。
ちなみに勤続年数が14年以上の割合としては私立はわずか20%に対して、公立は40%となっています。
これだけ開くのは給料などの福利厚生が大きな意味を持っているといえますね。
→ 保育士の平均勤続年数は短い?離職率が高い理由は給与と人間関係
保育士の離職を防止する8つの方法【離職率が高いところは参考に】
次に保育士の離職を防ぐ方法について書いていきます。
私も保育士の管理職をしているときに苦労をしたのが「保育士の確保」でした。
雇用をしてもすぐに辞めてしまう、1年で退職してしまうなど苦労をした経験からいろいろな方法を試行錯誤をして実践しました。
保育園でも離職率の高い保育園と低い保育園がありますが、低い園ほど保育士のことを考えた労働環境が整えられています。
1.3年は育てる長期目線で育てる【3年以内の離職を減らす】 2.労働環境を整える 3.良いところを褒める【ダメなところは理解する】 4,こまめにコミュニケーションや面談を行う 5.愚痴や人の悪口を一切禁止する 6.全員が意見を言いやすい場を作る 7.フリーな人材を獲得しておく 8.新卒や若い年齢を確保する |
1.3年は育てる長期目線で育てる【3年以内の離職を減らす】
保育士として3年は育てる長期目線を持ちましょう。
保育士の離職で新人~2年目は意外と多いものです。
そこには勤務をしている先生たちも毎日必死に保育をしている現実があり、育てるという意識が低いためです。
しかし、勤務を始めていきなり保育士として仕事ができる先生なんていません。
転職をしてきた先生でも園の流れや考えを理解するまでには1年はかかりますので、新人~3年目くらいの若い先生は数年かけて育てる感覚をもちましょう。
長期で人材育成をすることにより、長く園に勤務をしてくれるメリットがあります。
2.労働環境を整える
労働環境を整えましょう。
保育士は子供が好きで、仕事が嫌いなわけではありません。
保育士という仕事にプライドをもって取り組んでいるのですが、その時に大事なことは「働きやすい職場」「納得できる労働環境」です。
保育士として仕事をしていく中でこの労働環境は大事です。
全員の勤務を時間内に帰れるように調整する、残業代をしはらう、有休が取得できる環境を作るなど保育士が働きやすい環境を作りましょう。
離職の多い保育園はここが抜けている可能性が高いです。
3.良いところを褒める【ダメなところは理解する】
保育士の離職率の低い園は必ずと言ってよいほど悪いところを言いません。
良いところを褒めて保育士さんに自信をつけさせ、気持ちを盛り上げようと頑張ってくれます。
保育園でありがちなのは悪いところに目がいきついつい言いすぎてしまうことです。
それでは、働いている人は伸びず「何か言われるのでは?」と不安になってしまいますので、普段からよいところを褒める習慣を身につけましょう。
4,こまめにコミュニケーションや面談を行う
保育士としてこまめにコミュニケーションをとりましょう。
辞める理由に人間関係があると書きましたが、そこで問題として起こるのはコミュニケーション不足です。
実は話しをしてみると「相手が何を考えているのか?」「どんな思いで保育士をしているのか?」と言うことがわかります。
また、管理職も面談を定期的にして相手への気持ちや、自分たちの思いを伝えるようにすると意思疎通がはかれたよい保育園になりますよ。
5.愚痴や人の悪口を一切禁止する
愚痴や悪口を一切ダメにしましょう。
保育園は女性の世界ですので、人間関係のこじれとして「愚痴」「人の悪口」というものは必ず出てきます。
しかし、人の悪口や文句を言ったとしても何もメリットはありませんので前向きにすべきですね。
実は愚痴や悪口をなくすだけで人間関係が円滑になったという事例もありますので、園内の環境や空気をよくするためにも
6.全員が意見を言いやすい場を作る
全員が意見をいいやすい場を作りましょう。
新人でもベテランでも意見が言える場をつくることでいろいろな意見が出てきます。
会議などで園長や特定の先生しか話しをしないという現実があるのならば、それよりもみんなで意見をいいあって良い意見を集めるほうが良いですね。
意見が言えない、いいにくい環境では良い保育園にはなりません。
7.フリーな人材を獲得しておく
フリーな先生を確保しておきましょう。
フリーの先生がいるだけで保育に余裕が生まれます。
また、先生が体調不良などで急に休んだとしてもフリーの先生がいるだけで補助に入れますし、仕事を手伝ってもらうこともできます。
フリーな人材は保育園にとっても、働いている先生たちにとっても大きな安心材料になりますのでおすすめです。
→ フリー保育士は辛い?雑用ではないやりがいと仕事内容と大変さとは?
8.新卒や若い年齢を確保する
保育園として新卒や若い世代を採用していきましょう。
保育園の離職率を見ていただいたらわかる通り、2年未満で離職をしてしまう保育士は多いです。
しかし、その多くは人間関係など保育とは別の部分での離職となってしまっています。
新卒や若い世代を採用するメリットはたくさんあります。
・その園の保育のやり方や方法など色に染めれる。 ・環境はよければ結婚をしても継続してくれる。 ・育休産休を充実させることにより出産をしても人材確保できる。 ・労働環境が良いという保育園の評判が出て人材があつまる。 |
つまり、若い世代を雇用して良い環境を整えることにより将来的に長く勤めてくれる人材を確保できるのです。
保育士の離職率が高い理由と防止をするには人材流出を防ぐこと
保育園では一定の人材の流動は必要です。
しかし、離職ばかりでは保育園の保育が積みあがっていかない現実があるのです。
そうなるといつまでも人は育っていきませんし、重要な人が退職をするとなったときに大きな問題が生じます。
そのために大事な観点は「いかに長く勤めてもらえるか?」です。
ただし、甘やかせばよいというのものではなくしっかりと育てていきながらも働きやすい環境作りが一番重要です。
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