異年齢保育の難しさとメリットデメリット!ねらいと縦割保育の遊び方

異年齢保育のメリットデメリットがわかりますか?

異年齢保育は別名「縦割り保育」と呼ばれることもある保育で、子供たちの成長のために良いとされている保育方法の1つです。

私が勤務をしていた園ではあまり積極的に取り入れている保育園ではありませんでしたが、土曜日や早朝や夕方の延長の時間に取り入れていました。

保育をしながらも普段かかわりを持たない年齢の子供たちと遊べるということで私もその時間はほっこりとしたものです。

特に幼児クラスを持っていて0歳児の赤ちゃんを抱っこしたりするとうれしかったですし、子供同士も刺激がある保育ですがメリットデメリットがあります。

その点については保育士は知っておくべきですので、この記事は異年齢保育について書いています。

記事を読み終えることで異年齢保育の特性やねらい、メリットデメリットについてわかります。



異年齢保育の難しさとメリットデメリット!ねらいと縦割保育の遊び方

そんな異年齢保育について書いていきましょう。

まず、異年齢保育について知らない方もいると思いますので詳細について書いていきましょう。

異年齢保育とは縦割り保育と言われるいう方をされる保育なのですが、0歳児や1歳児という年齢でクラスを分けることを基本としている日本の教育とはちがい、様々な年齢の子供を一緒に保育をすることを「異年齢保育」と呼んでいます。

同じ年齢の子供を保育するのではなく、年齢がバラバラの子供達を一緒に保育をするため異年齢保育と呼ばれており混合保育なんて呼ばれることもありますね。

幼稚園や保育園でも日本は各年齢のクラスに分けることが一般的な考えなのですが、少子化の影響もあり同年代以外の子供と一緒の過ごす機会が減っていることから異年齢でかかわる保育というものがかんがえられました。

異年齢保育のねらい【様々な年齢が一緒に過ごす保育】

異年齢保育のねらいに「他の年齢の子供とかかわる」「やさしさやいたわる気持ちを培う」というものがあります。

これは現代の日本と過去の日本との生活の違いについていろいろと考えられる点があるからです。

私もそうだったのですが、昔はいろいろな年齢の子供がおり年上の子供と年下の子供とがかかわるなんてこともありましたし、年下の子供が年上の子供にあこがれるなんてこともありました。

一緒に遊ぶためにいろんな年齢の子供が楽しめるように独自のルールを作ったり、役割を学んだり子供が成長をしていく中で関係を築いてきたものです。

しかし、今は核家族化がすすみ地域の子供同士ですら会うことも少ない世の中です。

同じ年齢の子供同士ならば会える可能性もありますが、そうでなければ会うこともありませんので幼稚園や保育園などで意図的に他の年齢の子供とかかわれるような状態を作り上げることが大きなねらいです。

縦割り保育を導入することで年齢が違う子供同士の関係性が築けますので「人間関係の築き方」「集団社会のルール」「役割分担」「下の子上の子の関係性を学ぶ」など社会に必要な人間関係が築ける大きな場といえます。

異年齢保育の導入例

異年齢保育はここ最近はスタンダードな保育になりつつあります。

特に土曜日の保育ではどこの園でも異年齢保育を導入していますし、早朝や夕方の延長の時間帯に関してはいろいろな年齢をかかわる保育として取り入れられています。

また、日常的に異年齢保育を取り入れている園もあれば、毎週1日だけは幼児クラスで異年齢保育を導入する日、定期的に異年齢保育をする園など各幼稚園や保育園によって導入の方法はいろいろです。

グループ活動をして取り入れるケースもあり、異年齢保育という言い方をするから特別な保育のようなイメージを持ちますが実は普段から異年齢保育としていることが多いでしょう。

異年齢保育のメリット4選【縦割り保育は効果が高い?】

異年齢保育のねらいについて書いてきました。

次にそんな異年齢保育にはメリットデメリットがありますのでそれを紹介していきます。

まずはメリットから。

1.子供同士のコミュニケーション

異年齢保育のメリットの一番に考えられるのは子供のコミュニケーション能力の向上が上げられるでしょう。

幼児だけ、0歳児から5歳児までなどその時によって混合をする年齢は様々ですが、上の子供は下の子供に対して関係性をつくっていくために話し方を変えたり、ときにはおもちゃを譲ったり。

自分が本当は遊びたいおもちゃを小さな子供に渡したりと年齢によって対応もことなります。

その中からいろいろなコミュニケーションが生まれるのは同年齢の保育ではあまりないのでメリットも高いでしょう。

2.上の子供が下に優しく接する

上の子供は下の子供にやさしく接してくれる姿があります。

これは異年齢保育をしていると如実に表れてくる姿といえますね。

例えば、普段は自分勝手にしている子供は下の子供がいると優しく接してくれたりリーダーシップを発揮してくれたりします。

私が今でも覚えているのはいつも暴れん坊で先生のいうこともあまり聞かない子供がいたのですが、その子供が小さな子供が靴を履けなくて困っていたら手伝って履かせてあげていた姿です。

そんな風に上の子供が下の子供にやさしくするという気持ちを持てるあたりは異年齢保育のメリットです。

3.下の子供は上の子供にあこがれる

もちろん下の子供にとってもメリットがあります。

例えば、下の子供が上の子供と一緒にいることで「あこがれる」「背伸びをする」という点です。

普段できないことを自分が一生懸命やろうとする姿があったり、上の子供がすごく早く走っている姿をみて同じようにマネをして一生懸命走ろうとしたりする姿があったりします。

下の子供はそんな風にあこがれて、上の子供にできないことをしてもらいますがその後に大きな影響も。

自分が大きくなったときに下の子供にそんな風にかかわってあげられるようになりますので異年齢保育から学ぶことは多いですね。

4.年齢差月齢差がでにくい

年齢で区切られた保育だとどうしても子供同士の月齢差がでたりして「できること」「できないこと」がでてきます。

しかし、1~3月生まれの子供だとどうしてもコンプレックスを持つことがありますし4~6月の子供は物足りないことがあったりもしますが異年齢保育だとそもそも学年も違う子供がいます。

これも私の経験なのですが3月生まれの3歳児の子供が普段は同じクラスの子供からも可愛がられているような感じだったのに、異年齢保育になると自分よりも小さな学年の子供にやさしく接してくれている姿です。

年齢が月齢差があっても異年齢保育だと自信を持てるようになるという点は大きなメリットです。

→ 小児の発達段階の特徴と表 遊びや課題は年齢によって異なる

異年齢保育の難しさとデメリット4選【月齢と年齢の配慮と安全面】

ここまで異年齢保育のメリットについて書いてきました。

しかし、異年齢保育はメリットばかりではなくデメリットもありますので紹介していきましょう。

保育的な部分ではメリットとデメリットを知っておくことでウィークポイントに気を付けて保育ができます。

1.保育の安全性の確保が難しい

異年齢保育で難しいといわれるのが「安全管理」です。

年齢によって異なる保育をするのが保育なので幼児と乳児では保育のやり方や安全確保のやり方もまったく異なります。

視野の確保や見る位置、注意点などです。

その安全確保がいろいろな年齢の子供がいることにより負担になることもありますので注意が必要です。

活動によっては異年齢保育の良さよりも先生たちは神経をすり減らしてみなければならないこともあります。

2.活動が制限される

安全性にもつながることなのですが、同じ年齢の子供同士でできることも異年齢保育になると活動が制限されることがあります。

例えば、鬼ごっこをすると足が速い年齢も大きな子供が勝つことになりますので、下の子供は面白くありません。

しかし、走らないなど制限をかけると上の子供は楽しくありません。

結果的に活動が上の子でもなく下の子でもなく真ん中の子供向けの活動によりがちで制限をされてしまいます。

上の子供も下の子供も楽しめるようにしなければなりませんので先生たちも知恵を出し合ってかかわりを持たなければなりません。

3.先生の力量で差がでる

異年齢保育は先生の力量によって活動に差がでます

ベテランの先生だと各年齢の発達がわかっているので臨機応変に対応ができますが、経験の浅い先生だとそこまで深くかかわれないた浅い活動になってしまいます。

そのため、リーダーはある程度保育の経験を積んでいる先生が取らなければ異年齢保育のメリットが意味のないものになってしまう可能性があります。

4.子供がストレスに感じることもある

縦割り保育をする場合に気を付ける点は子供のストレスです。

普段同じ学年の友達とならば平和に過ごせる子供でも、違う年齢の子供とかかわることでストレスに感じることも。

例えば、上の子供がいじわるをする、下の子がちょっかいをかけてきても我慢しなければならないなどどちらにもストレスとなる要因があります。

普段からかかわりのない子供同士で関係を築いていくためそれが子どもにとってストレスになることもありますので注意が必要です。

→ 保育とは?保育方法と種類について!教育とは違い発達を大事にする

異年齢保育の遊び方とは?5つの事例を紹介【指導案に入れ込もう】

そんな異年齢保育を導入していくのは難しいと感じる保育士さんも多いです。

私もその一人なのですが、何が難しいかというと「遊び方」です。

どうしてもいろいろな年齢で関係性を築いていくため難しい部分もあるのでいくつか遊び方を紹介します。

私が勤務をしていた保育園で導入していた遊びは以下の通り。

1.ごっこあそび

ごっこ遊びにもいろいろとありますが、私の園では春から異年齢でグループを作って各グループでお店屋さんごっこをするというものがありました。

幼児限定の異年齢保育ですが、お店屋さんごっこをすることで受付に年長と年少の子供や会計に年中さんなど年齢によって役割をもらって楽しめるというメリットがあったのです。

年齢でできることを考える良い機会となりますね。

2.お絵かきや製作

1枚の大きな紙にみんなでテーマを決めてかく。

そんな風にすると絵の上手下手ではなく書きたい意欲があればだれでも参加ができるメリットがあります。

お絵かきや製作は上の子供が下の子供に教えてあげる、手伝ってあげる良い機会になりますね。

3.鬼ごっこ

鬼ごっこは年齢によってルールを決めておけばよいです。

例えば、下の子供は上の子供をタッチしてもよいけれども上の子供は先生しかタッチできない。

タッチされた先生はうまくコントロールをすればよいということになりますので遊びに取り入れやすいです。

異年齢保育で先生がコントロールするというのはとても大事です。

4.伝承遊び

花いちもんめ、かごめかごめ、あぶくたったなど昔ながらの伝承遊びはよくできており年齢に関係なく遊べる遊びです。

だるまさんがころんだや伝承遊びではないですがハンカチおとしなども取り入れてもやりやすいです。

5.散歩や遠足

また散歩や遠足など外を歩く際に異年齢保育を取り入れると良いです。

上の子供が下の子供と手をつないで歩いていくというのはとても良い姿ですね。

お弁当を一緒に食べたりする、一緒の歩くなど異年齢でのかかわりを作りたいというメリットがあります。

異年齢保育のメリットデメリットのまとめ【縦割り保育の良さを引き出そう】

異年齢保育の最大のメリットは人間関係の構築です。

普段は同じ年齢の子供としか関わらない子供たちが他の年齢とかかわる機会を意図的に作るというのはとても大事なことです。

私の勤務していた園は積極的に取り入れている保育園ではありませんでしたが、それでも異年齢の保育は子供の成長も感じられる方法でした。

友人の園は常時異年齢保育の保育園で個人差や指導案は大変と言っていましたがその分普通の保育とは違う楽しさがあるなんて言っていましたね。

異年齢保育にはメリットデメリットがありますが同じ年齢の保育とは違った楽しさのある保育ですので子供たちの成長のために取り入れてほしいと思います。

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