保育園のICT化で効率化が進むのはなぜ?補助金の制度と現場の声

保育園のICT化で効率化が進むのはなぜ?補助金の制度と現場の声

保育園のICT化が効率化になる?

今は保育園内でICT化が進んできており、保育士の業務の軽減や改善に役立っています。

ICT化とは簡単にいうとアプリなどのシステムを導入して、保育園事態の業務を軽減したり、改善したりする仕組みのことです。

しかし、便利になる反面デメリットもあるようですね。

この記事では保育園のICT化で効率化できる意味、補助金、現場のメリットデメリットがわかります。



保育園のICT化で効率化が進む理由【業務効率による大きな影響】

保育園のICT化で効率化が進む理由【業務効率による大きな影響】保育園のICT化が進む理由について書いていきましょう。

そもそもICT化というのは、ITのことでITを保育園へ導入して業務の改善を図ることです。

「ICT」は、Information and Communication Technologyの略です。

情報通信技術や情報伝達技術と呼ばれている言葉です。情報技術のITに、「人とモノ」「人と人」というコミュニケーションが加わったわけです。

ICTのイメージはこんな感じです。

ITとの違いですが、ITは情報技術そのもの、ICTは情報技術を活用すること理解しておきましょう。

ICTと聞くと身近にないように感じますが、Amazonや楽天での買い物は24時間いつでも可能な点はICTのおかげですし、会社の外からでも会社内の情報へアクセスできる点も十分なICTといえますね。

保育園のICT化システムとは?

でも、保育園へICTを導入することでどんなふうに代わるのかあまりイメージがつきませんよね。

実は最近は徐々に導入してきている保育園や幼稚園など福祉施設や教育施設も増えています。

例えば、園児の出席簿(毎日の出欠確認)、保育日誌、連絡帳、お便り、週案などの指導案、当日の欠席の連絡がアプリやメールにくるなど日常の雑務や業務が改善化されるものです。

今までは手書きのアナログで行っていた作業をパソコンやタブレット、スマホといった端末を活用して簡略化をすることで保育士や保育事務、主任、園長など保育園で働く人の業務を減らすことが目的です。

幼稚園・保育園でICT化にシフトする理由

最近は徐々に保育園や幼稚園でもICT化が進んでいます。

その理由は「業務の効率化」「簡略化」「雑務の減少」をすることが可能であるためです。

1.園児管理・保育業務 → 出席簿や保育日誌、指導計画、お便り、など

2.職員管理・勤怠管理 → 勤務表の作成と管理、シフトの作成と管理、情報共有など

3.事務管理・事務業務 → 給与計算、情報集計、事務日誌、帳簿の作成など

4.保護者との業務 → 当日の欠席の連絡、子供の情報を共有(当日の熱・体調)、連絡事項の効率化

こんな風にICT化をすることで、電話や話をしなければならなかったことがなくなるのです。

保育園にICT化で効率化するメリットデメリット!現場の声は微妙

保育園にICT化で効率化するメリットデメリット!現場の声は微妙業務の効率化が図れる、毎日の仕事がラクになる、保育士の課題である事務仕事の量が減るという大きなメリットがある保育園のICT化。

私も一部導入をしている保育園で使っていました。

その園では保護者が毎日の登園時に保護者は「出欠」「体温」を入力して子供を預けます。

すると、その時点で子供の体調がICT化で管理をされており保育士がパソコンを見れば「今日の体温」「登園時間・降園時間予定」「お迎えの人」が一覧でわかるようになっており1ヶ月経過すると自動で出席簿まで完成するのです。

保護者は入力後に伝えなければならないことがなければそのまま子供を預けて仕事にいけます。

朝の忙しい時間を保護者も、保育士もお互いに効率化できるメリットがあるのです。

メリットで保育業務が効率化・簡略化

ICT化を導入することで保育士にとってはとてもメリットがあります。

私も今まではすべてICT化されていないアナログな保育園にいったため、この時代でも手書きを大事にしていました。

しかし、今の時代にそれが沿っているのかといわれると疑問にも感じていました。

友人らにもICT化を導入をしている園があるのでその情報も含めて書いていきます。

情報共有がラクになった

一番に挙げられるのは情報共有がラクになったという点です。

今までは書類関係をすべてファイルへ閉じて、必要な書類に分けたり、時にはデータを入力したりしなければなりませんでした。

しかし、ICT化をすればデータはすべてネット内にありますのですぐに見つかります。

探す手間が省けるようになったというのはICT化の恩恵といえます。

書類がラクになった

保育士は毎日しなければならない書類と、月ごとにしなければならない書類があります。

それは基本パソコンで作成、もしくは手書きで作成するものです。

今でも覚えているのが出席簿を間違えてはダメな書類で、消えないボールペンで書かなければならず修正ペンもつかってはいけないといもの。

思い出すと無駄だなとかんじますし、ICT化が進んでいれば管理がされていますので書類をプリントアウトすれば完了します。

他にも保育日誌、経理の日誌、職員の勤務管理などたくさんの紙媒体のものがすべてICTで管理ができますので書類が減りますし、管理もラクです。

電話での保護者連絡が減った

ICT化をすることで保育士だけではなく、保護者にも恩恵があります。

毎日の出欠はタブレットで終わりますし、欠席の連絡もアプリで終わります。

今の時代はSNSやLINEなどの連絡ツールも充実している時代ですので、それが保育園と保護者間で扱えるようになると全然効果が違います。

保護者も「遅刻、欠席の連絡」もアプリで簡単にできます。

今までいちいち電話でしなければなりませんでしたが、メールやアプリで入れられると便利ですし楽ですね。

登降園管理が格段に楽になった!子供の把握に役立つ

私も今まで使ってきた中で一番楽だったのが子供の「登降園管理」です。

ICT化をすると各クラスにパソコンやタブレットがあるためそこを見れば「誰が登園していて」「体調はどうなのか?」「欠席は誰なのか?」「今日のお迎えの時間は?」などが一目瞭然でわかります。

一覧表を見ればすぐに確認できますので、とても便利ですね。

情報がシェアできるので口頭で言う必要がない

保育園内の情報共有も各クラスへデータを送付すれば終わりです。

もちろん毎日のミーティングはあるのですが、その時に「ICTへ入れておきます」と言えば終わりです。

ICTには先生ごとのメールアドレスをつけることもできますので、個別の仕事の連絡もそれで可能になります。

緊急な連絡もICTにはアプリとネット内からログインするタイプがありますが、いずれも確認できれば完了します。

事務での給与や有休の管理がラクになった

事務の先生にとってもメリットが大きいのがICT化です。

職員のシフト、労務管理、給与計算、交通費計算、保育園の帳簿などすべてデータで管理が可能です。

経理業務は重複することもありますし、いちいち確認をしなければならないこともありますがそれを防ぐことが可能となるのです。

子供や保護者だけではなく、先生たちも出勤退勤などもをICT化するため事務も管理がしやすくなるメリットがあります。

デメリット!保育のICT化の現場の声は切実

このように見てみると便利なことばかりのように感じられるICT化ですが、現場では「便利」と言う声もあればその逆もあります。

実際にICT化を利用して導入に失敗、もしくはうまくいっていないケースをみてみましょう。

ICTの機能に慣れるまで時間がかかる

ICTは便利なのですが、導入をしてから慣れるまでにとにかく時間がかかるという問題があります。

管理にしても書類にしてもすべてを見つけるまでに時間がかかりますし、手書きにした方が早いという声もありますね。

導入をして1年くらいは慣れるまでに時間がかかるケースも多いようですし、年齢を重ねている保育士が多い園ほど導入をしてからも活用できず無駄になったという声があります。

そもそもパソコンやタブレットが触れない

ICT化は確かに便利ですし、活用しやすい機能ではあるのですが問題は扱う保育士です。

保育士の多くはパソコンやタブレットというものを使うこと自体が苦手な人が多く、スマホもいじれないという人もたくさんいます。

そうなるとパソコンもタブレットも本当に扱えない人が多くなるため、必然的にICT化は全く進みません。

最後は導入したにも関わらずすべて無駄になってしまったという事例もありますので、いかに現場の保育士が扱うことができるのかが大きなポイントになります。

手書きの方が早くてラク

保育士さんの多くはパソコンがそもそも苦手です。

そのため、うまく扱えないままになってしまうケースも多くありますのでICT化よりも手書きが良いという声も多いです。

日誌や指導案に関してはパソコンで打つほうが時間がかかる。

保護者との連絡帳は手書きの方が思いが伝わる。

こんな風な声が現場でもでてくるため、最終的にはICT化の導入がうまくいかないケースがあります。

職員間でのコミュニケーションが減った

ICT化が進むと、データ化されるため職員間の会話やコミュニケーションが減ったという声が多いです。

もちろん会話はあるですが、このようなITの技術が入ってくると必然的にそのように感じる人も多いようですね。

保育園のICT導入には政府からの補助金

保育業界は人材不足で苦労をしています。

その理由が「業務が多すぎる」「労働時間が長い」「書類が多い」などの声がありますね。

もちろん低賃金というのは当たり前なのですが、それ以外にも業務的なものが問題となっています。

しかし、待機児童が多い保育園問題で保育士はとても重要な役割を担っていますので、政府も保育士の業務改善のために補助金の助成もしているのです。

理由としては以下のようなものがあります。

保育現場の ICT 化が進むことは、保育士等の業務負担軽減につながるものであり、加えて、業務負担が軽減された分の時間を有効活用することにより、質の向上が期待できる。

登降園管理などの管理システム導入により、給付事務、監査事務などの書類を作成するのにかかる時間が削減されるほか、保育士等が実際に児童と接する場面でも適切な活用がなされることにより、業務が効率化され、保育士等の勤務環境の改善につながると考えられる。

保育所や幼稚園では、厚生労働省、文部科学省及び経済産業省による予算措置の活用。

(一部引用:厚生労働省「保育現場の ICT 化・自治体手続等標準化検討会報告書(案)」)

つまり、国もあげて保育園の業務改善に力を入れなければならないと感じているのです。

厚生労働省の推進がある保育園のICT化

厚生労働省も保育園のICT化を進めており、そのための助成金も認めています。

助成金の金額は1施設あたり最大100万円となっており、国と自治体が補助金を出すという形になっています。

補助の対象となるのは保育園業務支援のシステムウェアの購入費、リース料、保守料、工事費、通信費とそれに付随をする消費税です。

対象となるのは保育所、認定こども園などの地域型保育事業です。

課題は職員が使いこなすこと

国をあげて保育園での業務改善をしようと思っているのですが、課題もあります。

それは「職員が使いこなせない」ことです。

たとえ、便利で保育園の業務を効率化できたとしても現場の人たちが使いこなせないようなものは意味がありません。

現在導入をしている施設でも「保育士が扱えない」「拒否をする」と言った声もあるため、ICT化の業者などは使い方の説明会などを実施しているようです。

保育園の業務の効率化は現場の保育士にかかっているように感じます。

保育園のICT化で効率化が進むのはなぜのまとめ

保育園でICT化が進んでいます。

政府も業務の効率化、軽減を考えて補助金の制度まで作ったのですがまだまだ普及には至っていません。

その理由は「保育士が扱えない」「経営陣もIT化に難色を示す」「必要ないと考えている」と言った声です。

私は実際にICT化されている園とされていない園がありましたが、パソコンを触ることも好きであったため特に敬遠をすることはなかったです。

しかし、その他の職員はパソコンもタブレットもスマホですら苦手という人が多く扱えていない現実があり、せっかくの機能も使えていない現実がありました。

間違いなく業務の効率化に役立ちますのでより進んでほしいなと思うのが個人的な見解です。

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