保育所保育指針の改定のポイント5選とは?内容は子供の10の姿が基本

保育所保育指針について説明できますか?

これは保育士ならばみんな知っておかなければならない教科書のようなもので、改定も子供たちの姿や社会的な背景からされているものです。

なぜならば、この保育所保育指針ができるまでは世の中の保育園の保育がある程度のレベルにしかなっておらず、厚生労働省などが把握をしていたのかと言われると微妙なところ。

これが最初に登場をしたのは昭和40年でどこから改定をしていき、今に至る保育所保育指針は保育士にとってとても重要な項目なのです。

この記事では保育所保育指針の概要を知ることができ、2018年の改定ポイント、子供の10の姿などの理解を深めることができます。



保育所保育指針の改定のポイント5選とは?内容は子供の10の姿が基本

そもそも保育所保育指針とは何でしょうか?

保育所保育指針は全国の認可保育所が遵守しなければならない保育の基本原則として、児童福祉施設最低基準第35条の規定を根拠に定められているものです。

つまり、世の中の保育園はこの保育所保育指針に遵守をしていることが求められているのです。

保育所における保育は各保育園の理念、目標によって行われるのが望ましいのですが子供や保護者の状況、地域の実情などをふまえておこなわれるべきです。

しかし、保育園にはすべての子供の最善の利益という考えがあります。

子供の健康、安全の確保、発達の保障の観点から全国の保育園の保育士に関する枠組みが必要ですので保育所保育指針を保育の基本事項と定めているのです。

いわば、全国の保育園の方針を決めたもので一定の水準を保つためには必要なものであるといえます。

保育所保育指針の内容は?

保育所保育指針の内容は保育に関することが網羅されています。

子供の成長や発達に関しては各年齢ごとに定められており、その成長にそった保育カリキュラムを作成することを求められています。

保育所保育指針は全国の保育の枠組みとなるようなものですので、例えば以下のようなものが書かれています。

・子供の健康および安全の確保をすること。

・子供の一日の生活を発達を見通して行うこと。

・保育内容と組織的、計画的に構成し保育を実施すること。

・保育所の役割(保育所保育の目標、特性、子育て支援、保育士の専門性)

・保育の原理として(保育目標、方法、環境)

・保育所の社会的な責任(子供の人権の尊重、地域交流の説明責任、個人情報の保護と苦情解決)

保育所保育指針の内容はこのようなことが書かれています。

もちろん子供の立場だけではなく、保育士、保護者、地域の方々など保育所に関わるすべての人へ向けて作られています。

→ 小児の発達段階の特徴と表で解説【遊びや課題は年齢によって異なる】

→ 保育とは?保育方法と種類について!教育とは違い発達を大事にする

保育士が理解しておくべき理由

保育所保育指針は保育園の運営側だけが知っておけば良いものではありません。

実は保育士が理解すべき項目がたくさんあるのです。

子供の発達や下に書いている小学校へ向けて身につけておきたい10の姿、保育所の目的など理解しなければならない部分がたくさんあります。

私が保育士をしていたころはちょうど2008年の改定のときでした。

この時は大きな改定となったため、研修へ行き、園内研修を繰り返し受け学ぶことになりましたがその時の園長先生は非常に大事なことだと理解していたからでしょう。

保育園で子供の一番近くにいるのは保育士の先生ですが、その先生たちが勝手に保育をしては保育所保育指針の意味がありません。

理解することで保育の質も変わりますのでしっかりと読みこんで理解をしておくべき内容です。

保育所保育指針の改定5つのポイント【2018年】

そんな保育所保育指針が2018年(平成30年)に改定をされました。

内容が改定をされたポイントは主に2つあります。

・乳児保育と1歳以上3歳未満の保育内容の記載の充実

・保育所が幼児教育施設をして位置づけられたこと。

この内容が入ってきた理由としては、幼稚園や子ども園とそん色ない内容を保育所でも提供すべきだという考えがあり、小学校でも2020年の教育改革が行われます。

それに合わせて保育所の指針も改定をした流れです。

幼児教育には3つの柱があり「知識及び技能の基礎」「思考力、判断力、表現力等の基礎」「学び向かう力、人間性など」です。

ここと小学校の就学までも身に着けてほしい10の姿が入っているのです。

1.乳児・1歳以上3歳未満児の保育に関して充実

今回の改定で特に大きなポイントが乳児保育です。

乳児の0~2歳の年齢の子供たちの保育所への入所希望は年々増加をしており、認可、無認可など保育園の形態関係なく保育の質を上げ、保証をすることが求められています。

0~2歳児は大人が食事、睡眠、排せつなどの生活習慣のケアが重要。

そして非認知能力といわれる基礎が育つ大事な力です。

人とのかかわりから学ぶことも多く、生活面のすべてが教育となるため今まで以上に乳児保育に力を入れることを求められているのです。

基本的な信頼関係と構築するために保育者との愛着関係も重要であることが強調されている時期です。

2.保育所を幼児教育施設として積極的に位置づける

幼児教育は注目をされています。

幼児教育の重要性は世界中で注目をされています。

その理由はノーベル賞を受賞したジェームズ・J・ヘックマンが2013年に行った提言によるものです。

1960年に開始をした幼児教育研究を追跡調査した結果、優れた幼児教育は社会全体の利益につながるというものですし、アメリカのペリー教育プログラムでも幼少期に良い教育を受けた子供は将来良い人生を送っているという結果がでています。

つまり、幼少期の教育は将来にわたって影響をすることが分かっていますので日本でも幼児教育の無償化を開始し、より幼児への教育に力を入れるような社会になりつつあります。

もちろん保育園でひらがなの読み書きを教える、計算をさせるという教育を義務付けているわけではなく計画に独自性をもっているということです。

子供達の非認知能力を高めることが最も重要だという位置づけになります。

非認知能力とは?

ここで良く出ている言葉「非認知能力」ですが、実際にはどんな能力のことなのでしょうか?

非認知能力とは「人間として生きていく力」のことです。

例えば「目標に向かって頑張る力」「人とうまくかかわる人間関係」「感情のコントロール力」など測れない力のことでIQなどとは違います。

そのため、保育所でも「粘り強さ」「協調性」「やりぬく力」「自制心」「感謝をする気持ち」などを育てることが重要だと保育所保育指針に書かれているのです。

3.子どもの健康や安全への配慮と大きな災害への備え

子供によって住んでいる生活環境や生活でする体験も大きく異なりますので一人一人が持っている力は異なります。

そのため、乳幼児の健康状態や発育状態も個人差がありますので、それに応じた健康支援や食育への取り組みを推進するものです。

また、日本では地震や台風など災害が非常に多い国となっています。

保育所を役割として防災意識を高めるとともに、保護者と災害時の対応や共有など関係機関と連携した体制作りも重要なポイントとなるのです。

ここの安全への配慮には子供の食物アレルギーやアレルギー疾患も含まれることになり、保育所内の事故防止のために医療機関との連携も含まています。

4.保護者や地域社会と連携した子育て支援の重要性

保育所は子育て支援をする施設としての位置づけもあります。

今までの保育所保育指針にも保護者支援は入っていたのですが、改定前は「保護者に対する支援」とい記載だったのですがこれを「子育て支援」という言い方に改めたのです。

そのため、保護者への子育て支援は家庭の事情やプライバシーを守りながら行うことになりますし、個々には保護者の積極的な保育参加、特別な対応が必要な家庭への個別支援などに関する新項目も記載をされています。

また、地域の子育て支援施設という言い方も入っていますので地域の関係機関との連携や一時預かり、子育て相談業務なども子育て支援の一環として含まれます。

5.保育士をはじめとする職員のキャリアパスと研修の実施

最後は保育士の資質向上です。

保育士はいろいろな役割を担っているため、職員の資質向上や専門性の向上が求められます。

保育士や職員に対しての研究などの機会を設けることで資質の向上に力を入れることができるのです。

また、今までは保育士の資格を取得してもそれ以上の資格はありませんでしたが、保育士の立場や職務内容に応じたキャリアパスに合わせて「保育士のキャリアアップ研修ガイドライン」も策定をされています。

実は保育士もキャリアアップをすることにより給与にプラスが付くことが可能となっているので保育園と保育士にとってお互いメリットのあるものになっています。

→ 保育士キャリアアップ研修の内容とは?処遇改善の金額と受講する年数

保育所保育指針の10の姿の具体例!小学校就学までに身に着けたい力

10の姿という言葉を聞くことも多くなっています。

これは「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」10個という意味です。

保育所の役割として保育に欠ける子供を保育することなのですが、入園をした子供の多くはそのまま卒園まで在園をすることがほとんどです。

そのため、小学校の就学へ向けて身につけておきたいものを指しています。

ただし、勘違いをしてはいけないのはすべてを身に着けておかなければならないということではなく、子供の発達に合わせて様子を見て導いていくことを積み重ねていくことが求められるのです。

小学校のとの連携も保育所は大きな役割をになっており、子供の姿や様子を連携して伝えることも重要です。

そんな子どもの10の姿について書いていきましょう。

1.健康な心と体

子供が自ら安全で健康な生活を意識することや、心と体を十分に使い自分がやりたいことを思い切り楽しむことです。

人が生きていく上で健康な心と体は重要で、これは子供だけではなく大人になっても重要なことです。

健康な心と体がなければ友達とのコミュニケーションをとったり、自然の中で思い切り遊ぶこともできませんので活動の中で自ら見通しをもって健康で安全な生活を作り出していけることが目標です。

特に卒園の半年前くらいからは自分のやりたいことに向かって心と体を十分に働かせることで見通しをもって行動をする姿が見られるようになります。

何よりも子供が主体的に考えられる環境を作ることが大事ですね。

2.自立心

自分で身の回りの環境に積極的にかかわろうとしたり、あきらめずにやり遂げる達成感を味わうことが成長の過程で大事です。

子供たちが先生の指示などがなくても自ら考えて、主体をもって行動をできるようにすることがねらいです。

周囲に環境と関わりながらもさまざまな活動を楽しむ中で工夫をしていき、自身をもって物事に取り組めるようになることが目標です。

時には自ら難しいことに挑戦をしたり、周囲から認められることで自信がつくので保育士は子供が主体的にサポートする、時には見守ることが大事です。

指示ばかりだす保育は自立心を育てられませんのでやめておきましょう。

3.協同性

協同性は友達と一緒にイメージをしながら共有をしながらともに考えていくことです。

言葉で自分の気持ちを伝えあうことも大事で、友達と関わることでケンカをしたり、共に成長をし、喜びを分かちあいながら共同、協調性というものを学びます。

友達と言葉のやりとりなどをする中でイメージを共有したりすることで、ごっこあそびなど同じ目的に向かっていけるようになることです。

これは多くの子供達に囲まれている中で育まれていくためのもので、お互いの良いところを認められるような関係を作ることが大事ですので保育士はサポートをすることを意識しましょう。

4.道徳性・規範意識の芽生え

ルールを守ることは必要であること、相手の立場に立って気持ちを考えたり、ときには共有をすることが求められることです。

良いこと悪いことがわかり、決まりを守る大切さを学びます。

このルールを守るという点は社会に出てからも大事な力で小学校でも非常に重要な力です。

自分と友達の中で気持ちの折り合いをつけながらルールを守り、守ったりするようになることです。

大人が言葉を使って教えるよりも、友達とのかかわりや園生活の中で少しずつ身に着けていくものです。

卒園を控える時期になると周りの人の気持ちに共感をしたり、相手の目線にたって考え行動をしたりする姿が見られるようになります。

保育士は子供が気持ちを折り合いをつけられるように導き、支えることが必要です。

5.社会生活との関わり

家族や地域の人など地域社会にも関心に目を向けるなど社会生活に喜びを感じられるようなるための項目です。

子供の育ちの中で、保育園の中だけではなく子供を取り巻く環境や地域にも目を向ける視点が大事です。

家族を大事にしようという気持ちを持つこと、地域も身近な人と触れ合うなど地域の人との交流も大事な役割となります。

保育士は子供が自分に関心に応じて得た情報を遊びに取り入れやすい設定を工夫してあげることが重要です。

6.思考力の芽生え

身近な環境に関わり、様子を観察したり予想をしたりすることや友達の中で異なる考えがあることに気付く、自分の考えをよりよいものに変えていこうとする考えになります。

物の性質や仕組みなどに気付いたり、感じ取ったり、考えたり、予想をしたり、工夫をしたり多様な関わりを楽しむようになる視点が重要です。

友達とのかかわりの中で、自分とは違う考え方に触れ工夫をしたり、考えなおしたりすることも大切ですね。

保育士は子供から新しい考えを引き出せるように導くことが大切です。

7.自然との関わり・生命尊重

身近な自然物に関心を持ち、感動をしたり、命を尊ぶ、またそれらを言葉で表現できるようになることです。

自然に触れあい、感動をする体験を通して身近な環境への関心が高まり、面白さに気付くようになることです。

保育士は子供自身が自然とどのようにかかわっていくのかまで考えられるよな視点が大事です。

命はなかなかかかわる機会がないですが、動物が生まれてくることに感動をしたり、死に接して命の大切さに気が付いたりします。

ぬいぐるみのようにかわいがるのではなく、命ある生き物を扱うことを学ぶのです、

保育士は自然に触れられる環境作りや動植物を愛でる気持ちを育めるようにサポートをします。

8.数量・図形、文字等への関心・感覚

保育所は教育機関ではないのでしっかりと勉強をさせるのではありません。

遊びの中で数量や図形、標識、文字に興味を持ち、豊かな感性と表現につなげていくことが求められます。

絵本で出会う文字や友達と遊びの中で「2人で」「3つまで」など数の感覚を学び、興味関心を持つようになる視点が重要です。

保育者は遊びの中から文字や数字に親しみ、触れ合える工夫が重要です。

年長になると手紙を書いたり、文字を絵に書き込んだりする姿もありますがそれも一つの関心です。

保育所内にマークや文字の入った標識を置くことでどんな場所かを理解するきっかけになります。

9.言葉による伝え合い

絵本や紙芝居など物語に親しみ、経験をしたことがない言葉で表現をする、相手の話を聞き言葉で伝えあうことを楽しむことが大事ですね。

子供は保育士や友達と心を通わせて、絵本に親しみながら豊かな言葉や表現を身に着けて言葉でのコミュニケーションを楽しめるようになります。

保育士は子供達の「言葉で伝えたい」という思いをサポートすると共に「相手の話しを聞くこと」の大切さにも気づかせましょう。

言葉のやり取りを楽しんでいく上で、伝わる喜びを感じたり、相手への理解や共感を覚えていくため、保育士は子供達の話は伝わりあうように言葉を加えるなどサポートをしていきましょう。

10.豊かな感性と表現

様々な事象に触れ、感動をしたことを表現する、また友達の表現をみて自分が感じたことを言葉で表現するなど一人一人の感じたことを大切にすることです。

言葉だけではなく、音や動きで伝えたり、他の誰かを演じたりしながら表現方法を増やしていくことが大事です。

保育士は先回りをして伝えるのではなく、その子らしい表現方法を育んでいきましょう。

また、イメージやアイデアなど浮かべやすくするために環境を整えてサポートをしましょう。

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保育所保育指針の改定のポイントのまとめ

ここまで保育所保育指針について、また改定をされた5つのポイント、子供の10の姿について書いてきました。

保育所保育指針は全国の保育士の指針となる教科書のようなものです。

それは社会的な背景や子供達を取り巻く環境によってどんどんと進化をしていますので、保育士もそれに伴い考えや保育のやり方など資質の向上が求められていますね。

私が保育士になったころよりも、より保育士に求められることが多くなっている印象です。

しかし目安となる指針があるのはありがたいことです。

保育所保育指針の内容を現場の保育士も理解し、より良いものにしていくことが大切ですので役立ててください。

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Taka

Taka代表

投稿者プロフィール

元保育士の保育士ライフ運営者takaです。

・保育園の現場経験から園長になった経歴の持ち主

・子供の教育や幼稚園、小学校受験を担当し多数の合格実績もあります。

・2児の父で現在はサラリーマン(営業)をしながら副業でブログやライターなどの仕事をしてます。

・趣味は筋トレ、ランニング、キャンプ、フットサルと体を動かすことが好き。

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【経歴】

・現場の保育士から保育園の園長になった経験

・子供の教育関係の経験あり。幼稚園、小学校受験に関しては知識あります。

今は元保育士として普通のサラリーマン(営業)をしています。

【簡単な紹介】

関西に住んでいる二人の子供がいるお父さんです。趣味はキャンプと筋トレ、フットサル。

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