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認可保育園はサービス業?
保育サービスと聞くと、どんなイメージを思い浮かべますか?
なんかサービス業見たい、接客業見たいと思っている方もいると思いますが保育園は違うよね?そんな風に思うと思います。
しかし、最近は認可保育園でも無認可保育園、認証保育園などいろいろな保育の形がありその多くは保護者からお金をいただいて運営をしているという形での仕事となっています。
そのため、最近はいろいろな保育サービスの種類ができていますのでまとめてみました。
保育サービスの種類
多様化が進んでおり、いろいろな形での保育ができるようになってきました。
今はもちろん料金の関係で認可保育園の一人勝ち状態となっていますが、今後はこのサービスも大きく揺れ動く可能性があります。
保育はどんどんサービス業化しています。
例えば、保護者が「少し遅れます」「今日は〇時にお迎えにきます」など言われると「わかりました」としか返事しかできないのが現状なんですよね。
保育園は接客業と同じ
正直な話をすると、保育園は接客業です。
子どもを保育するというサービスに対してお客である保護者の人がお金を出しています。
今は待機児童問題もあるのでどんどんお客さんも来てくれますが、間もなく待機児童問題も少子化の影響で終わりを迎えることになるでしょう。
そんな時代になる日も遠くないと思いますし、最近はいろいろな形での保育園ができていますのでどんどん競争も激しくなっていく可能性を秘めています。
では、本題の保育園の種類について書いていきましょう。
認可保育園(認可保育所)
認可保育園は日本の保育環境の基盤となっている施設です。
児童福祉施設であり、厳しい設置基準をクリアしなければ運営をすることもできません。
認可保育園は法的には保育所という扱いなので、ここでは認可保育所という呼び方で書いていきます。
認可保育所は第二種社会福祉事業という扱いで児童福祉施設です。
そのため、児童福祉法の基づいて保育所の設置認可が出されます。
人員配置や設置基準などは厳しく、一定の基準をクリアしていなければ施設の運営もできないです。
認可保育所の場合は屋外遊技場、つまり園庭で原則2歳児以上が1人あたり3.3㎡(子どもが実際に遊べる面積)以上なければなりません。
※保育所付近に代わるべき場所(公園など)があれば代用可能
また、調理室も必須となっており十分な広さがなければなりません。
運営をしていく中で自由度に欠けるというデメリットはあります。
そのため各施設独自の特徴をもち、優位性を確保している施設はそこまで多くはありません。
無認可保育園(認可外保育園)
認可外保育所は認可保育園とは異なり、児童福祉施設には該当しません。
しかし、都道府県の都知事に対して設置の基準の届け出を義務化しており、都道府県、市区町村の監査をうかて認可以外保育施設設置基準に即した運営を行っています。
認可外保育施設指導監督基準は認可保育所と同様の人員配置を守りながら、施設や設備の基準が緩和されている内容で小規模の保育所やべビーホテルの形態にあった基準になっています。
2001年までは認可外保育園の設置届けの提出義務はありませんでした。
その当時までは「認可外保育園=環境が悪い」というイメージが強かったのですが、設置基準の提出が義務化になってからは一定の質が保たれるようになっています。
自由度が高く自由な経営方針が人気
認可外保育施設の特徴は認可保育園と比較をした場合に自由度が高く、様々な事業モデルや事業コンセプトをもった施設が存在をしている点ですね。
24時間型の託児所、教育に特化をした教育型の保育園、習い事機能を兼ね備えた保育園などがありインターナショナルプリスクールもこの認可外保育園へ含まれることになります。
認可保育園が人気の裏では、このような無認可保育園の力というのは非常に大きなものとなっていますし、認可保育園へ入るよりも無認可保育園の方にあえて入園される方もいます。
例えば、英語の環境へ入れるためのインターナショナルスクール、体操に特化をしている体操教室が運営をする保育園、水泳教室が運営をする無認可託児所、教育に特化をしている無認可保育園や受験対策に特化をしている無認可保育園などいろいろな形態があります。
もちろん保護者のニーズにはまらなければなりませんが、無認可保育園でも入りたくても入れない人気園はたくさんあるのです。
事業所内保育所
事業所ない保育所は年々増加傾向にあります。
平成27年度の認可外保育施設の現状とりまとめによると2003年までは3703施設だったのですが、2016年3月末の時点では4561施設となっており増加をしている傾向にあります。
その内61%は病院内にある院内保育所が占めていることから病院内の看護師の確保のための位置づけを取れますね。
入所者数は全体で73660名と言われており、院内保育所1施設当たりの利用者が多いこともわかっています。
新制度施行後「地域保育給付」として位置づけられており、さらに2016年以降は企業主導型保育が主流になっていることから業界における影響力はまして行くでしょう。
関連記事→企業主導型保育事業とは?保育料金の助成金が出るって本当?
最近は病院だけでなく、大企業もどんどんと導入をしておりビジネスの面でも「保育園を運営しています」という企業イメージのアップやブランド力のアップのためにも使われることが多く、大企業や外資系の企業でも増えていますし労働力が少なくなっていることから人材の流出を避ける意味でも設置をしている、今後検討をしている会社は多いです。
在宅保育事業
日本の在宅保育事業は公共事業として「ファミリー・サポート・センター事業」、民間事業として「ベビーシッター事業」が存在をしています。
ファミリー・サポート・センター
ファミリー・サポート・センターは乳幼児や小学生などの児童がいる子育て中の労働者や主婦などを会員として、児童の預かりなどの援助をうけることを希望する方と当該援助を行うことを希望する方との相互援助活動に関する連絡と調整と行う組織です。
2005年度から地域の特性や創意工夫を活かした次世代育成支援対策推進法に基づく市町村行動計画の着実な推進を図るため、次世代育成支援対策交付金(ソフト交付金)が創設され、ファミリー・サポート・センター事業は、同交付金の対象事業とされていますが、新制度移行は「子ども・子育て支援交付金」の対象事業となっています。
ベビーシッター
ベビーシッターは海外ではスタンダードな保育サービスですが、日本では文化の違いからかさほど浸透をしないのが現状です。
しかし、ベビーシッター事業を行う事業者は全国各地に存在をしており、中にはベビーシッター事業だけで数億円の売り上げを上げている企業も存在をします。
2012年までは全国ベビーシッター協会(現在は全国保育サービス協会に改名)が舵を取っており業界の認知工場活動や普及活動を行い、ベビーシッター会社が全国保育サービス協会に属しています。
ベビーシッターの良さは個別対応であることです。
施設型の保育で対応できないニーズに対応できる点で、ニーズとしては様々なシーンで送り迎えや病児、病児後保育、妊娠中の支援など多岐にわたる対応が可能です。
幼稚園の預かり保育
幼稚園と聞くと専業主婦の人が午前中だけみてもらう小学校の小さな子ども向けの施設のように思っている方もいるのですが、幼稚園も乳児を預かるという点と除けば保育所と大きく変わらない状況となっています。
幼稚園の預かり保育サービスも大切な保育事業の1つとなっています。
文部科学省は1997年から私立の幼稚園に対して「預かり保育推進事業」として私学助成の措置を行い、2002年度から市町村に対して地方交付税が措置されています。
また、2007年6月には学校教育法が改正され、預かり保育が法律上位置づけられるとともに、2008年3月には幼稚園教育要領が改訂され、預かり保育が教育活動として適切な活動となるよう具体的に留意事項が示されました。
幼稚園としても預かり保育を実施することは、園児募集にも貢献することがあるため積極的に採用をされています。
現在は私立、公立の幼稚園で実施をされており82%で行われているというデータもあります。
病児保育・病児後保育
病児保育のニーズは非常に高いのですが、内閣府が2008年に公表をした「少子化社会対策に関する子育て女性の意識調査」では「保育所の数や定員を増やす」という意見に次に「病児・病後児保育の充実」という要望が多かったことがわかっています。
保育所は基本的に37.5℃以上の熱が出ると原則として預かってもらうことができないですし、保護者も仕事があり急には迎えに行けない、代わりに迎えを頼める人もいないなど、どうにもできない状況になることもあります。
特に都市部では核家族も多く、祖父母や親せきが迎えに行くというケースも地方に比べると少ないため、病児・病後児のニーズは高まっています。
しかし、事業者の立場とすると運営上の負荷が大きいこと、それに対する補助金が見合わないこと、リスクが高いことなどの理由からなかなか世の中の広がらない現状もあります。
商業施設内の来店促進のための一時保育
最近はイオンなどの大型のショッピングモール内にて商業施設内の来店促進を目的とした一時保育施設も増えています。
商業施設とは、ショッピングセンター、百貨店、ホテル、パチンコ店、スポーツクラブ、劇場、ホール、スタジアムなど多岐に渡りますね。
施設内に15~30㎡程度の小さなスペースを設け、その場で一時保育を実施しており、施設によっては簡易な教育を行うケースもあります。
一時保育施設は商業施設にとっては基本的な機能となっており、来店促進はもちろん施設や店舗のイメージアップ、資産価値の向上にもつながっています。
開発段階から大手のデベロッパーが企画提案しているケースが多くなっており、保育サービス企業が運営をしていくケースが増えています。
ただし、大型ショッピングモールへ保育企業が参入をするとなった場合に大きな障壁をなるのが家賃です。
保育事業はそもそも収益が少ないビジネスとなっているため少しでも家賃などの固定費は抑えたい気持ちがありますが、大型のショップグモールの場合は基本が高いですし、一時保育という不安定さもあるため保育サービス事業者にとっては商圏としては魅力的なのですが、お金に着目すると十分な検討が必要になってくるビジネスモデルであるといえます。
地方独自保育事業
待機児童対策のために国ではなく、都道府県や市区町村が独自に対応策を講じています。
子ども・子育て支援制度のスタートで今後の増加はあまり見込めませんが重要な役割を担っている施設となっています。
東京都認証保育所
自治体独自の保育制度をして代表格なのが東京都が2000年にスタートをさせた「東京都認証保育所制度」です。
2016年4月の時点で都内に664箇所あり、定員は22,665人となっており、待機児童解決へ向けて貢献をしている事業の1つです。
東京都認証保育所は自治体独自の保育制度の成功例として取り上げられることも多く、これによって公開数字における待機児童数の解消が実現されていますね。
しかし、新制度がスタートしてからは認可保育園へ移行をしたケースが多く減少傾向にあります。
横浜保育室
東京都認証保育所に並んで代表的な地方単独保育事業として、横浜市が行う「横浜保育室制度」があります。
横浜保育室制は2015年4月時点で119施設となっていますね。
基本的な目的は0~2歳児までの低年齢児が良好な環境で保育をされることであり低年齢児の待機児童解消を図るとともに延長保育・一時保育・休日保育などの多様なニーズに答えるために横浜市が助成をして運営をしています。
東京都認証保育所と同じく非常に厳正な基準を設けており、保育の質の維持、向上、安全性の確保を図っていますが東京都認証保育所と同じく新制度移行は認可保育園へ意向をしているために減少をしています。
その他の保育独自制度
東京都認証保育所や横浜保育室以外にも全国的に独自の制度を設けている自治体もいくつかあります。
例えば、神奈川県の「認定保育施設」、川崎市の「かわさき保育室」、さいたま市の「ナーサリールーム」、仙台市の「せんだい保育室」、堺市の「堺認証保育所」、浜松市の「認証保育所」などがあげられます。
以上が保育サービスのいろいろな種類となっていますが、最近は認可保育園と企業主導型保育施設が増加傾向にありますね。
今後保育園は選ばれる立場になっていく
将来的には増えていく可能性は高くなりますし、株式会社などの保育サービスを基本としている会社の参入をしてくるということは、少子化の影響で選んでいる立場から「選ばれる立場」に移行をしていくでしょう。
その時のためにも保育のサービス化やいろいろな種類の保育の運営が認可保育所の経営者には求められる視点かもしれないですね。
厚生労働省や文部科学省などの保育所や幼稚園の管轄をしている政府の動きにも引き続き注目をしていきたいと思います。
しかし、この状態でも待機児童問題はなかなか解決にいたっていないのが正直な所なので、ベビーシッターなどがもっと普及をすればよいのにと感じますね。
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