子供がケガとした時の応急方法とまとめ

保育をしていく中で事故や怪我は未然に防ぐことが第一であることは言うまでもありません。

しかし、様々な面で未熟であるという子どもの特性を考えれば、子どもに怪我はつきものと言ってもよく危険性も日常的にあります。

事故が起きてしまった場合、園内の処置でも専門医を受診する際もどんな状態で事故が起きた(発生した)かが、診断や治療の一助になります。

保育園で一番ダメなのは、「見ていなかった」という状況です。

・どのような場所で

・どんな力が

・身体のどの部分に加わって負傷し

・子どもはどんな状態だったのか

事故防止と事故発生時の事後処理を心得ておきましょう。

 
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1,外傷

・観察する(すり傷、刺し傷など傷の種類を早く察知する)
・清潔にする
・止血(血液には直接手を触れないように、ゴム手袋などを使用する)
・消毒、薬剤塗布

  手当て 消毒液 薬剤
すり傷 ・砂や泥で汚れている場合、水道水でよく洗う。

・消毒後、救急バンまたは滅菌ガーゼを当てる。

・ジワジワ出血している場合は、圧迫にて止血したり、

抗生剤軟膏を塗布(止血の効果)して滅菌ガーゼを当てる。

※救急バンは、貼りっぱなしにしないことを保護者に説明する。入浴前にはがし、入浴後の消毒を依頼する。

水で洗い流す テラマイシン軟膏

(抗生物質)

切り傷 ・圧迫にて止血する。

・止血したら消毒をして救急バンやガーゼに軟膏をつけて当てる。

・大きい傷の場合は、止血しながら受診する。

水で洗い流す テラマイシン軟膏

(抗生物質)

とげ

刺し傷

・異物が刺さっている場合は、とげ抜きでとる

→消毒→救急バンを当てる。

・刺し傷の場合は、感染や破傷風菌の危険度が高いので、消毒薬ができるだけ奥に入るように傷を開くようにして消毒する。

→滅菌ガーゼを当てる。

・汚い場所で受傷した時は、必ず受診する。

(健康カード及び保護者に三種混合接種を確認する)

水で洗い流す テラマイシン軟膏

(抗生物質)

噛み付かれた傷 傷がない場合

・水道水で洗ってから冷やす。

・ベノスタジン軟膏塗布。

傷がある場合

・水道水で洗い、消毒し、抗生剤軟膏をつけた救急バンを当てる。→冷やす。

動物に咬まれた場合は、消毒後、受診する。

水で洗い流す テラマイシン軟膏

(抗生物質)

打撲を

伴う傷

・傷の手当をしてから打身の手当をする。

・ガーゼを当てた上から冷湿布をする。

テラマイシン軟膏

(抗生物質)

2,打撲

・観察が第一である(部位、意識、顔色、冷汗、眼球・鼻孔・耳孔などからの分泌物の有無)

・冷やす

種類 症状 手当て
頭を打ったとき ①打った後ケロッとして普通に遊んでいる場合、

数日間は機嫌、頭痛、嘔吐、意識、徐脈に注意する。

静かに寝かせて頭を冷やして様子を

みる。左の症状があれば脳外科に受診する。

②打った後数分間意識がなく、そのあと気がついた

場合(気がついた後、もう一度意識がもうろうと

してきた場合は、頭蓋内出血を考える。)

静かに水平に寝かせ、顔を横向けに

する。すぐに脳外科に受診する。

③意識がなく顔面蒼白、冷汗、眼球の変化(つりあ

がったり、共同偏視)鼻孔・耳孔からの分泌物の

ある場合

急を要する。みだりに動かさない。

顔を横にして分泌物を拭き取る。

救急車で脳外科に受診する。

腹を打ったとき ①打った後元気に遊んでいる場合 要観察
②激しく痛みを訴える。顔色が悪くなる。

冷汗が出る。吐き気がある場合。

ベッドに横向けに寝かせ様子をみる。

症状が続けば総合病院に受診する。

③意識がない、吐く、腹が硬くなった場合 静かに取り扱い、直ぐに救急車で受診

する。

胸を打った ①元気があって肩腕を動かしても痛くない場合 そのまま様子をみる

パテックスの湿布

②顔面蒼白、冷汗、激痛のある場合は肋骨骨折の疑いがある 患部を動かさないようにしてすぐ外科

に受診する。

3,骨折など

・事故の原因を知る

交通事故か?打撲か?

・骨折の発見の仕方

まわりの人、又は本人に事故の状況を聞く。

健康な側と比較し、症状によって骨折の有無を調べる。

骨折しているかどうか分からない時は、骨折しているものとして取り扱う。

種類 症状 手当て
骨  折 激痛、変形、腫れてくる、動かせない、しびれてくる、冷汗が出る、気分が悪くなったりする。(骨折部位の上下は動かせないこともあるので判断を誤らない) 患部を動かさないようにして整形外科

に受診する。副木を使用する場合は、患部の上下の間接を挟んで固定する。

捻  挫 動かせるが痛がる。受傷後しばらくして熱を持ち、

腫れてくる。皮下出血のあとのように変色してくる。

患部を高くする。

冷湿布をする。(パテックスなど)

固定包帯をして受診する。

脱  臼 肩、肘、指、顎など脱臼しやすい。

全く動かない。無理に動かすと抵抗感がある。痛みがありはれて変形してくる。

勝手に整復しょうとしない。

三角巾などで軽く固定して受診する。

肘 内 障 座っている子の手を引っ張ったり転んだ時に起こりやすい。その時は痛がって泣くが、しばらくすると遊び始める。元気が良いのに患部側の手を使おうとしない。 看護婦が整復をしてみるが、上手

くいかない時は受診する。

4,火傷

・冷やす(30 分程)

・火傷が広範囲の時は、ショックと感染の危険がある

種類 症状 手当て
火傷 1度 皮膚が赤くなる。 水道水を流しっぱなしにして20~30分

冷やす。(水から出してヒリヒリしなく

なるまで冷やす。)衣服をつけている場

合はその上から冷やす。

2度 水疱ができる。 1度の手当と同じ

水疱は出来るだけ破らないように滅

菌ガーゼで被う。

3度 水疱が破れただれる。 1度の時と同じ手当をするが、感染を

起こさないように注意して滅菌ガーゼ

で被い受診する。

広範囲

(20%以上)

1~3度までの症状が一緒に出る場合がある。 ショックに注意する。(顔面蒼白、冷汗、

嘔気、脈拍微弱、意識朦朧、意識消失)

ショック症状のある場合は冷やさない

で救急車で受診する。

5,日射病、熱射病、ひきつけ、けいれん

種類 症状 手当て
日 射 病

熱 射 病

皮膚が熱く乾いてくる

顔が赤くなる

脈が速く大きい

体温が非常に高くなる

頭痛、めまい、吐き気、ひどい時は意識消失

木陰の涼しい所で衣服をゆるめて静か

に寝かせる。

頭や脇の下、手、足を氷枕や濡れタオル

で冷やしたり、うちわなどで風を送る。

意識がしっかりしていたら水分を与え

る。けいれんを起こしたり、意識がない

場合は、救急車で病院に行く。

ひきつけ

けいれん

眼があがり、歯をくいしばり、体が硬くなる。

顔面蒼白又は紫色になる。

意識消失

衣服をゆるめ静かに寝かせる。

身体をゆすったり大声で呼んだりしな

い。

顔を横に向け誤飲に注意する。

発作が長く続く時は(5分以上)救急車

を呼ぶ。

ひきつけの様子をよく観察する。

6,誤飲

種類 症状 手当て
咽頭、気管に

つまった時

咽頭に異物をつまらせた時は眼を白黒させ

て息を苦しそうにする。

気管に異物が入ると激しく咳をしたり、呼

吸が止まって顔色が赤→紫→蒼白となる。

呼吸している時は急いで受診する。

窒息状態にある時は、後ろから腰を抱いて頭と手を下げさせ背中を強くたたく。呼吸停止の時は、人工呼吸と同時に救急車を呼ぶ。

毒物を誤飲した時 繰り返す激しい吐き気と嘔吐、激しい腹痛

口やのどがやけるような感じ

何を飲んだか確認し、吐かせてよいものかどうか判断する。

吐かせてよいもの(タバコ、医薬品)の場合は、水か牛乳を飲ませて、人差し指をのどの奥に入れて吐かせる。

※吐かせてはいけないもの

強い酸、アルカリ性農薬、殺虫剤、掃除用洗剤、ガソリン、灯油等を飲み、口の中がただれている時は吐かせてはいけない。再びのどを通る時に炎症を起こしたり、発生した有毒ガスが肺に入り

危険となる。ピューラックスは牛乳・豆乳・卵を飲ませ受診する。

飲んだ物、飲んだ時間、経過は記録する。

※受診するとき

何を飲み込んだか確認し、吐いたものを持参して受診する。

 

吐かせないですぐ病院 ボタン電池 水や牛乳を飲ませたり、吐かせたりするのは×。食道に引っかかり、粘膜に穴が空く可能性があります。急いで病院で診察を受けるようにしましょう。
漂白剤 無理に吐かせると、のどや粘膜がただれる可能性があります。水か牛乳を飲ませて

毒性を薄めてからすぐに病院で受診するようにしましょう。

トイレ

風呂用洗剤

無理に吐かせると、のどや粘膜がただれる可能性があります。水か牛乳を飲ませて

毒性を薄めてからすぐに病院で受診するようにしましょう。

カビ取り剤 無理に吐かせると、のどや粘膜がただれる可能性があります。水か牛乳を飲ませて

毒性を薄めてからすぐに病院で受診するようにしましょう。

画鋲・針

くぎ・ガラス

食道や気管を傷つける可能性があるため、先端が鋭利なものは吐かせてはいけません。

水や牛乳なども飲ませないですぐに病院で受診するようにしましょう。

吐かせて病院 防虫剤 水を飲ませて吐き出させてから、急いで病院を受診して下さい。消化管からの吸収を

促してしまうため、牛乳は絶対に飲ませないようにしましょう。

医薬品 飲んだ薬品を確認してからかかりつけの病院や「中毒110番」に対処法を問い合わせましょう。吐かせるときは、必ず水か牛乳を飲ませたからにしましょう。
少量なら様子を見て クレヨン

鉛筆

食べても体に害はありませんが、のどに詰まらせると窒息することがあります。咳込んだり苦しそうな様子があるときは急いで病院を受診しましょう。
ボタン

ビーズ

小さなものを飲み込んでしまったときは、しばらく様子をみましょう。大きなものを飲んでのどに詰まらせたときは水か牛乳を飲ませて吐かせてから受診を。
食器用洗剤 少量をなめた程度ならしばらく様子をみましょう。大量に飲んだ場合でも中毒の恐れは

ありません。水か牛乳を飲ませてから病院を受診しましょう。

7,口の中のケガ

種類 症状 手当て
唇を切った

 

歯肉損傷

 

歯の損傷

 

 

 

 

 

 

舌を切った

 

上唇小帯損傷

 

 

内出血を起こして紫色に腫れる切れる

 

歯がぐらつく

歯が抜ける

うがいをしてそのまま様子をみる。

 

ひどい時は受診する。

 

受診する。

抜けた歯の取りあつかい(永久歯)

・園外:洗わずにガーゼにくるんで

帰園する

・園内:そのまま牛乳か生理的食塩水

につけて受診する

 

受診する。

 

受診する。

8,異物混入、その他

種類 症状 手当
耳の異物 虫の場合 明るい光を当てて虫を誘い出す。

虫があばれて鼓膜を傷つける恐れが

ある時は、耳鼻科に受診する。

水の場合 入った方の耳を下にして静かに寝かせる。
目の異物 砂の場合 ・眼をこすらない

・水道の流水でよく洗い流す。

・湿らせたカット綿や綿棒で除去する。

痛みや流涙が止まらない 眼科に受診する。
鼻の異物 異物の一部が見える場合は、入っていない方の鼻をおさえて強くかませる。

深い時はいじらないで耳鼻科に受診する。

虫さされ 蜂―痛みが強く腫れがひどい ただちに患部を水で洗い、キンカンを塗布

し、抗ヒスタミン剤軟膏を塗り、冷やす。

ショック症状(ひどくはれたり、めまい、

吐き気、息苦しい)に注意し、異常があれ

ば受診する。

蚊・ダニー小さい広範とぼう発疹

かゆみ

キンカン、抗ヒスタミン剤軟膏を塗る。

毒蛾の場合はこすらないように洗い流し皮膚科に受診する。

ショック 顔面蒼白 冷汗をかく

のどがかわく 意識がうすれる

呼吸が苦しそう 吐き気がする

脈が速く弱い

皮膚が冷たく湿っている

仰向けに寝かせ、足高位をとらせる。

衣服をゆるめ、全身を毛布などで保温する。

声をかけ、安心させ、励ます。

水分は与えてはいけない。どうしても欲しがる時は唇を湿らせる。すぐに救急車を呼ぶ。

9,鼻血

・椅子に腰かけるか、座位にて頭を前に傾け、気分を落ち着かせる。

・口呼吸をさせ、手の指で出血している側の鼻の孔を外から押さえる。(10 ~ 20 分)

・止まりにくい時は、押さえながら鼻の外から氷のうで冷やす。

※上は向かない。

血液がのどに詰まる可能性があるため、自然に止まるまでティッシュで押さえるなどしてすべて出す。

10,呼吸が止まっている

・人工呼吸

①固い物(地面や板)の上に仰向けに寝かせる。

②頭を後ろにそらせ、あごを上に突き出すようにする。(気道確保)

③口の中に指を入れ、中に入っている物(血や食物)を外にかきだす。

④子どもの鼻と口に密着するように口をつけ、子どもの口を開けて2回速やかに息を吹き入れる。

⑤このあと1分間に20 回(3秒に1回)のペースで吹き入れる

・心臓マッサージ

肺の真ん中にある胸骨の中央に乳児、幼児前半は人差し指と中指を当て、幼児後半は手のひらで胸部を圧迫する。(1分間に100 回のペース)

・脈も止まっている

心臓マッサージを3~4秒に5回、人工呼吸を3~4秒に1回行う。

乳児突然死症候群について

突然死とは、突然で予期されなかった自然死、すなわち病死をいい、交通事故や溺水事故、あるいはミルクの気管内誤嚥による窒息などによる事故死や他殺は除外して考えられています。

通常、病的な兆候が発症の24 時間以内にみとめられず、急激な発症のもとに24 時間以内に死亡する例をいっています。

乳幼児突然死症候群(以下SIDS)の場合は、それまでまったく元気にすごしていた乳幼児が、ある日突然に死亡してしまい、解剖してもはっきりとした原因が認められない場合をいいます。

厚生省のSIDS研究班による定義によれば、

「それまでの健康状態および既往歴からはまったく予測できず、しかも剖検によってもその原因が不詳である、乳幼児に突然の死をもたらした症候群」を狭義のSIDSとし、剖検の行われなかったものを広義のSIDSとしています。

発生頻度

・出生1000 に対し0.5 人発生

・0歳- 88% 1歳- 8.3% 2歳- 3.7%

・6ヶ月未満児に多く、ピークは4ヶ月と新生児期

・男児55%、女児45%

・未熟児 > 成熟児

・第一子 < 第二子 < 第三子

・あおむけ寝 < うつぶせ寝(3倍)

・母乳栄養 < 非母乳栄養(5倍)

・両親の非喫煙 < 喫煙(5倍)

・冬期に多い(12月~3月) 47.8% 少し風邪気味の時

・午前0~6時 48%、 日中の昼寝も多い

予防方法

・原因、病態について、年度始め資料をもとに勉強会をもつ。

・うつぶせ寝はしない。ただし6ヶ月を過ぎて寝返りができるようになり、睡眠時に寝返った時はそのままで見守り、観察を十分にする。

・眠ったらこまめに顔色、呼吸を一人一人チェックしながら10分おきにチェックリストに記入する。

・よだれかけははずして寝かせる。

・タオルケット、毛布は胸のあたりまでかけ、顔にかからないようにする。

・枕もとに不用のものを置かない。

・月齢の低い子ほど眠ったら身近におき(1.5 メートル以内)、常に顔色、呼吸を観察する。

・起きた場合のことを考えて各クラスで役割を決めておく。(蘇生する人、連絡する人、記録する人、他の子どもを集めて隣の部屋に移動し保育する人)

保育士から保護者への働きかけ

・母乳育児をすすめる。

・子どものまわりで喫煙はしない。

・仰向け寝で育てる。

・なるべく赤ちゃんを一人にしない。

※「うつぶせ寝にしない」「母乳にする」といった指導ではなく、育児環境がSIDSの発生頻度に影響する事実を指導する。

異常は子どものケガや事故などの対応方法となります。

もちろん事故やケガは起こってはならないものですし、未然に防ぐことが一番ですが起こって締まった場合には適切な対応が求められますので参考にしてください。

 

 
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